発汗を制御する方法

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自律神経が支配する発汗をコントロールする

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公開日:2016年01月06日
最終更新日:2016年01月30日

この記事の所要時間: 620
防寒対策マニュアル

寒がり屋さんのライダーに贈る

汗冷え対策(体質改善・自律神経のコントロール)

どれだけウェアや装備を工夫しても汗冷えに頭を抱えるライダーはたくさんいます。そんな方に限って、こまめな休憩を取るといった抜本的かつ合理的な解決法をよしとせず、なんとかならないものかと悪戦苦闘の日々を過ごされています。
ここではちょっと視点を変えた対策などをご紹介させていただきます。
専門的なお話になりがちですが、可能な限り要点を絞ってお話しさせていただきます。
寒いのにどうしても手のひらや足の裏の発汗がおさまらない、原因は判らないけど気が付いたらいつも汗をかいている。そんな方向けの対策です。
 

【おさらい】どうして汗冷えが起こるのか

まず、汗冷えが起こるまでの間に何が起こっているのか整理しましょう。
 
1.カラダの発汗
2.汗が皮膚表面またはそれに近い部分で冷やされる
3.汗冷えで凍える
 

以上です。いたってシンプルです。
汗をかく。汗が冷える。寒い。
 
この汗冷えを防ぐ手段はふたつあります。ひとつ目は汗をかかないこと。ふたつ目は、かいてしまった汗は皮膚から少しでも遠いところで気化させウェア内から排出することです。
 
ひとつ目の対策として防寒レベルを体全体で均一にする方法、ふたつ目の対策としてインナーウェアやアウターを工夫する方法について下の二つの記事で紹介させていただいた通りです。
 
ウインタージャケットの防寒性能を向上させる装着法
防寒対策 | 正しいミドル・インナーウェアの選び方
 
上のページに紹介した方法を実践してなお汗冷えに困る場合、解決するのはちょっとばかり骨が折れるかもしれません。

発汗はコントロールできるのか

あなたが発汗をコントロールできるかどうか正直なところ判りません。
でもまぁ、なんとかなるかもしれませんし、まずは発汗の仕組みから見ていきましょう。
 
おさらいです。人間は体の放熱機能が非常に発達した温暖な地域出身の動物です。
その放熱のメカニズムは恒温動物としてはトップクラスの性能を有しています。飛び抜けて寒さに弱い生き物です。
そんな人間の発熱源は大きな筋肉と内臓。しかしライダーはバイクの運転中に腹筋もスクワットもできません。発熱量が不足しています。
体感温度が平気でマイナス30°近くまで低下する極寒ライディング、発熱量が少ない上に汗冷えなんてした日にはまともに運転なんかできたもんじゃありません。
 
ところが人間の体もよくできたもので、あなたの意志とは関係なく、あなたの体を寒さから守るために勝手に働いてくれている機能があなたの体には備わっています。
それは自律神経です。交感神経とか副交感神経と言われているアレです。
寒冷時に自律神経が具体的にどんなことをしているのか少し見てみましょう。
 
あなたが過度な寒さを感じたとき排尿を促します。体から余分な水分を排出して体を冷えにくい状態にしようとします。
さらに体毛をたてて保温層をつくろうとします。鳥肌です。ですが人間が獣の頃の毛はすでに失われているので、こればっかりはムダな動きですね。
皮膚表面においては毛細血管の血流量を低下させてからだ全体の温度が低下しないように頑張ります。ラジエターの水流を遅くしてエンジン本体の温度を上げようとするわけです。
いよいよまずい状況になってくると、体をガタガタと振るわせます。筋肉にこまかい振動運動をさせて発熱しようとしているのです。

 
いかがですか?わりと沢山のことをしてくれていますね。
自律神経はあなたの体の中に内臓されたECUみたいなものです。意志とは関係なく勝手に体を良いようにコントロールしてくれるとっても高機能なECUです。
そして自律神経は自分の気分次第で動いているわけではなく、さまざまなセンサーを使い、周りの環境を読み取って、実に細やかに環境に応じたコントロールをしてくれています。
さて、人間はみずからの意思で自律神経をコントロールできません。自律神経をコントロールできるということは、例えば1秒だけ心臓を止めてみようと思えばできてしまう、そういうことです。そんなことできる人間は人間じゃないです。
果たして自律神経の支配下にある発汗を自身の意思でコントロールできるのでしょうか?

発想の転換!自律神経さんにお願いしてみよう

自律神経をコントロールできないから発汗をコントロールできない。言葉の意味としては正しいです。しかしもし自律神経が誤動作を起こして発汗しているのなら、誤動作の原因を取り除く、もしくは減らしてあげることで、防寒にとって意味のない発汗を抑制することは可能かもしれません。
 
実は汗をかいて冷えから体を守ろうとするメカニズムもあります。
理屈はこうです。体の水分が多すぎると体が冷えやすくなります。体を冷えから守るために水分を体から排出しようとするのです。
多くの方は排尿したくなったり、ごくまれに汗をかく方もいます。
自律神経による発汗のメカニズムはいろいろな働きが絡み合います。そのため外部環境が同じでも発汗することもあれば発汗しない方もいるのです。寒冷刺激による発汗もありえなくはないというわけです。
 
そこで発想の転換です。自律神経にとってのいくつかのセンサーが置かれている状態を変えてみればいいわけです。ECUの違う反応が返ってくることが期待できます。
ひとつがダメでも他のセンサーの状況を変えてみる。そんなトライ&エラーを繰り返すことで、寒冷時における不必要な発汗を抑制することができるかもしれません。
 
再三書いてきましたが、ライダーの置かれている状況はとても特殊です。
ライディング中にもたくさんの精神的ストレスがあります。コーナーで頑張っちゃったり、ヒヤっとしたり。時間に間に合わないよと焦ったり。まずはそのあたりから手をつけてみましょう。
 
特に寒さの中、極限状態のライディングで過度な緊張が発汗のスイッチになっている場合。
まだバイクに不慣れで緊張しているのなら、いままでより肩の力を抜いたり、別のことを考えて脳をリラックスさせたりしてみるのはどうでしょうか。
体重や水分量といった体のコンディションが適切でない可能性だってあります。適度に体重を減らしてみたり、増やしてみるのも試してみる価値があると思います。
呼吸をゆっくりとしたペースに落とすのもアリかもしれません。呼吸は自律神経の支配下で唯一あなたがコントロールできる部分です。
ライディング中に何かひやっとする事がおこり、心がストレスを感じた瞬間、深呼吸をひとつするクセをつけたらどうなるでしょうか?

 
あなたのECUは発汗が必要と感じているから汗をかかせているのです。
体重を変えたり、緊張をほぐしたり、呼吸にゆったりとしたリズムを持たせたり、素早くストレスを取り除く儀式により、心に余裕を持たせることで、あなたのECUはいままでと別の信号を受け取り、発汗をコントロールできる可能性を秘めています。
 
自律神経の制御下にある発汗を直接的に操作しようとするのではなく、自律神経さんにいつもと違った刺激を与えることで、発汗を抑えるようお願いしてみましょう。



 

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