空を飛ぶバイク乗り

G650GS-林道 瀞川氷ノ山線 日常

『目いっぱい伏せてスクリーン越しに見る空が好き』

Tさんが以前言った言葉です。

空飛んでるみたいで気持ちがいいと言葉は続きます。

何年も前の話ですが、なるほどと得心したことを覚えています。

Tさんは若いころからサーキットや公道でバイクを飛ばしていた方です。

カンが良くて目も良くて、思い切りもよく、見ていて気持ちいい乗り方をするバイク乗りです。

ぶっちゃけマネできません。

そんな彼、滅多に事故も転倒もしないものだからヤンチャな乗り方のまま育っちゃってます。

結婚して子供が生まれて、今はずいぶん大人しく走っていますが。

視界いっぱいに空が広がる走り方なんて滅多にあるシチュエーションではありません。ですが、わからなくもない気もします。

淫するほどにライディングに夢中になり得られる解放感や万能感。

迷いもためらいもなく動く体に心をゆだねる無心の世界。

楽しさや喜びしか存在しない境地。

実体はランナーズハイと似たようなもんなんでしょうけど。

そんな中毒者(バイクジャンキー)の世界は確かにありえると思います。

そんなバイク中毒者のTさん、とうとう自分のバイクを手放します!

ミドルSSらしからぬ距離を既に走っているので、車検を契機に手放すことにしたそう。

無論家族を思ってのところも大きいはず。

修理するコストが見合わない領域に入ってすでに随分と経っています。

つまりバイクにとっての大往生、喜ばしいゴールです。

明日は最後のツーリング。

峠を渡り歩いて300kmほど走ることになりそうです。

そして最終目的地は売却先のバイク屋さん。

はてさて、空飛ぶバイク乗りは当分奥さんのバイクでガマンするといっていますが、『当分』という所にちょっとだけ『ウソ』を感じます。

ちょっと奥さん、『新型R6カッコイイ』とか言ってましたよカレ!

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