ブログ復帰と暑さ対策の話

1カ月ほど更新できませんでした。
仕事で年末はどうしようもありません。
年始も同僚が入院でてんてこまい。
いま現在も残務処理で日が暮れてそこから自身の仕事に取り掛かる感じ。

たぶん当面こんな感じ。

さてタイトルの暑さ対策、書き間違えではございません。

実は大阪で起業されている実業家の方とご縁があり、2日ほど前、事務所仕事を終えてから訪問させていただきました。

販売されているのは『着るエアコン』です。

とても丁寧に開発のきっかけから現在までの進化をご説明いただきました。
遅い時間までお待ちいただいたうえ、遅い時間までお付き合いいただき恐縮です。

私自身、暑さ対策、寒さ対策のマニアです。
マニアの視点から見ても、暑さ対策グッズとして極限まで完成されたすばらしいものでした。

ごく簡単に説明すると、この「着るエアコン」は人体を水冷で冷やしてくれます。
動力はバッテリー。
これまでライダーは空冷でしか体を冷やすことはできませんでした。
そして空冷は気温が上がるほどに非効率な冷却方式です。限界が早い。

これを解決する方法としての水冷です。気温が非常に高くなっても冷却効率が下がりにくい。

ところがこんな仕組み、いざ作ろうと思うとすぐに大型化してしまい実用品とはとても言えないものが出来上がってしまいます。

「着るエアコン」のすごいところその1です。
これらの問題に対して、真正面からひとつずつ問題を解決し、ライダーや作業者が実用品として使える以上にコンパクト化させていました。日常品としても女性や子供にも使ってもらえるレベル。

すごいところその2です。
「着るエアコン」がすごく優しい装置だったこと。
機能さえ詰め込めばいいんだろ的に作ると、使い勝手に影響するのはどの業界も同じ。
優しくない技術者が作ったものは細かい気になる点を使用者に丸投げにしがち。
でもこの「着るエアコン」は各部品の耐久性はもちろん、水漏れ対策、着脱のしやすさ、軽さ、構造のシンプルさ、部品代替品の入手性、ライフサイクルへの導入のしやすさ、すべてが緻密に考えられています。
作り手の洞察力の高さと思いやりの深さなくしてなしえない、非常に高いレベルの製品だと感じました。

中でも面冷却、水をチューブに通さない工夫はすばらしい。
別にチューブでもよかったはずです。
あえて面冷却を取り入れた理由は熱力学と工業製品のデザインの知識に精通したものでないと理解されにくい部分です。
水冷チューブだとヘルメット内部で完全な異物となります。理由はチューブには肉厚が必要だから。
フィルムだとこの肉厚を非常に小さくすることができる上・・・

書きすぎました。

許可なくいろいろ書くのは良くないかもしれないですし。

今度許可をいただいた上で改めて書くことにします。

で、ここからが本題なのですが

「着るエアコン」は確かにすばらしい製品でした。

けれど見えない部分でいくら頑張っても、万人にこの良さを理解してもらうのはとても難しいということ。

扇風機はボタンぽちっで暑さが和らぎます。すずしいですよね~。

けれどこの「着るエアコン」は暑さに責め立てられ、頭がクラクラ極限状態に陥っている人向けの製品です。大多数のオウチでくつろいでいる人向けではありません。

絶対数が少ない。とてもニッチ。

良さが世間に伝搬しにくいのです。

じつに身につまされる話。

カタールに自ら売り込みにいったり、ジェトロを通じてマーケティングを頑張っておられますが、製品の良さを理解してもらうことの難しさを共感せずにはおれませんでした。

この日、こんなにも頑張っている実業家の方に出会えてとても幸運なことでした。
自分たち自身も彼に負けず、もっと鋭利に、より頑張っていこう、そんな気持ちになりました。

出会いは大切。その出会いを自身の糧にできるかも大切。
世の中わりと見えない大切にあふれています。

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