ホイールベアリング内に封入するグリース量に注意

とりあえずグリースさえ入っていれば大丈夫!

と思われがちなシールドベアリング内部のグリース。

とりあえず、あまり入れすぎずだいたい半分くらいを目安にしておいた方がよい理由を解説します。

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グリースはどんな状態?

シールドベアリング、もっと絞るならホイールベアリングの内部にあるグリース、どんな状態なのか想像できますか?

ホイールの回っていない静止している状態、ではグリースは容器内とおなじく見慣れた半固形のペースト状をしています。

ホイールが回りだすと、グリースはシールドベアリング内で攪拌され、グリース内部の増ちょう剤がグリースをほどいていき、液状になります。

そして回転を止めると徐々に元のペーストに戻っていきます。

グリースが多すぎると起こる問題

シールドベアリング内部にグリースが多すぎると、ベアリングの回転に対して抵抗が増えます。

抵抗が増えると発熱します。

過度に発熱すると・・・増ちょう剤が徐々に破壊され、グリース自体の寿命が短くなります。

だからグリースをパンパンに入れすぎることはご法度と言われているのです。

理論的に適切なグリース量

おおむね容積の30~60%程度の充填量が目安といわれています。

この程度に抑えなくてはいけない理由は主に高回転時の熱ですから、回転数が低いならグリースが多くても問題ないわけですし、ベアリングの許容回転数ギリギリを使うのなら、逆にできる限りグリースは少なめの方が、部品を傷めずに済むわけです。

NSKの資料によるとベアリングの許容回転数の

50%以下ならグリース量は容積の1/2~2/3
50%以上ならグリース量は容積の1/3~1/2
極低回転なら防塵防水の観点からフルパック(一杯まで詰める)もアリ!

とあります。

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グリース封入量は半分くらいを目安に

厳密な計量ができませんし、素人整備なら目測50%の充填量が現実的です。

『これを塗っておけばベアリングは永久にグリースの入れ替え不要!』といったような怪しげなアッセンブリケミカルも販売されていますが、メーカーはいっさい検証していません。

タイヤ入れ替えごとのグリースアップでも十分すぎるくらいベアリングは長寿命化するので、よくわからない高額ケミカルに手を出すのはあまりオススメしません。

ベアリング用途には、一般的なリチウム・ウレア系のグリースでOK。オフ車で川を渡ったり海に入ったり、頻繁に千里浜なぎざドライブウェイを走る方なら、お守り代わりにウォータープルーフグリースもあり。
そんな使い方だと、チェーン、足回りは頻繁にグリースアップしないと、どんなグリースを使ってもサビまみれになってしまうので過信は禁物。

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