サビ取り(ボルト・ナット・ワッシャー類)

バイクのサビ取り メンテナンス
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サビは放っておくと広がります

  • 「何度も同じ場所がサビてしまう」
  • 「はじめて買った中古バイク、よく見たらいろいろサビている・・・」
  • 「ツーリングから帰って1週間と経ってないのにサビが出てきた!」

そんな経験ありませんか?

ナットに錆が発生しています

ナットに錆が発生しています

先日中古でG650GSというバイクを購入しました。納車後ウキウキしながら自宅まで走らせ自宅に帰って愛車をマジマジと観察、ニンマリしていたところ、スクリーンステーの固定ナットに赤いサビを発見。
他にもないかと探してみるといろいろ出てきます。

ボルトの刺さっていないネジ山、フレームのメインスタンド取付部やその周り、前面エンジンハンガーの肉抜き穴付近、ボルト穴、取付ステーやステムナットのカドなどなど。いたる所にちらほら。もちろん走行に支障のある状態ではありません。フォークのインナーチューブや塗装面はすごく手入れが行き届いていてサビひとつないところを見ると、大切に扱われていたことが判りますが、普段立ったままだと見えないところまでは残念ながら手を入れられていなかったようです。
凍結防止剤か海辺の砂浜、ダートの走行後、下の方にはしっかり水を掛けずといった事が何度かあったのかな?といった雰囲気です。
走行に問題はないといっても、サビは放っておくと広がります。
ひとつひとつ状況に応じた対策を施しましょう。
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ボルト・ナット類のサビ取り

作業の前に、メンテナンスの基本として覚えておいて欲しいことがあります。
サビを落としても同じところがまた錆るということ。
本来ボルトやナットはサビ取りではなく交換すべき部品だということ。

錆は酸化といって酸素と結合した状態のことです。酸素がある限りまた錆てきます。
特に水分が大敵です。バイクにかかった水は純粋な水ではなく、いろいろな不純物が混じり合い、鉄を錆びさせやすい状態でバイクに付着しています。
一度錆びたところというのは、水滴が溜まりやすい場所ということです。
サビ取りを行った後は継続して再発しない処置が必要になります。

ケミカルを塗布して磨く

今回使用するケミカルは花咲かG ラストリムーバーです。

使い方はいたって簡単。ハケで錆に塗布し10分後に拭き取るだけ。
錆びた部品をウエスの上に置いてペタペタします。しばらく経ったらそのウエスでゴシゴシ。

錆にケミカルを塗布します

錆にケミカルを塗布します

軽い錆は簡単に落ちますが、錆が厚い部分はなかなか落ちません。
何度か同じ作業を繰り返します。

サビ取り剤としても強力なのですが、このサビ取り剤のいいところは、塗装面やメッキ部への攻撃性が低いことです。
強力なケミカルで塗面をはがしてしまうと、今度はそこから錆が発生してきます。
無限に続く錆との壮絶なバトルが始まってしまいます。
バラして再塗装したり、最終的に交換するつもりの部品ならいいのですが、そうでないならまだ錆ていないところの塗装は極力そのままにしておく方が得策です。
拭き取り後は防錆皮膜を作るので、他のサビ取り剤と違ってすぐに錆が出ないことも魅力。
錆との戦いを局地戦で済ませられる本品は非常にオススメです!

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真鍮ブラシでゴシゴシする

ケミカルで2、3回処理をしても落ち切らない部分は、リムーバーが付いた状態のまま真鍮ブラシでゴシゴシします。

真鍮ブラシはホームセンター等で100円くらいで販売されています。
ワイヤーブラシの中では柔らかい部類で、金属部品への攻撃性は低いのであまり心配せずゴシゴシやっちゃいましょう。

ただし金属でも塗装面や樹脂部品にはガッツリキズつける程度には強力なので注意してください。

サビ除去完了!

はい、サビ取り完了!
所要時間は30分ほど。母材を極力キズつけずにチマチマやるのが好きなので時間を掛けてますが、日々錆と闘い続けるワイルドな手練れの方なら10分もかからないと思います。

錆除去完了

錆除去完了

サンポールでバシャバシャーとかやると手っ取り早くて気持ちいいですしね。
でもそうやっちゃうと再発させやすい面もありますから、今回はあくまでも丁寧に。
使用したケミカルやメンテナンス用品はラストリムーバー、塗布用のナイロン筆、真鍮ブラシ、ウエスだけです。

忘れちゃいけない最後の防錆(ぼうせい)処理

錆除去完了

きれいに錆は取れましたが、部品はいまこの瞬間から錆始めます。
むしろサビ取りしている時からゆっくりとふたたび錆始めていたと言った方が正しいかもしれません。
金属は腐食から免れることはできません。いずれ錆びて人の手を離れ自然に還るか、リサイクルされてふたたび精錬され、別の新たな部品に生まれ変わるかの2択です。

部品の生涯まで思いを巡らせたところで腹の足しにもなりませんが、少なくとも自分がバイクを手放す日まで、せっかく手間をかけてサビ取りをした部品にはまた錆びて欲しくないわけです。
錆の発生を少しでも遅らせてあげる為に金属表面をコートしてしまいましょう。
使うのは防錆剤と呼ばれるケミカルになります。防錆オイル・グリス、ラストガード等を使うのが一般的です。

防錆効果はどれも約1か月程度持つと言われています。
部品の取付部が樹脂の場合、シリコンオイル等の樹脂素材を犯さないものを使いましょう。

大切なのは再発予防

今回はボルト等の小物類のサビ取りを行いました。

サビ取りにはいくつも方法がありますが、基本的な考え方は

  • サビを完全に削り落とす。
  • 再発しないよう表面を処置する。

この2点です。

しかし一見錆びているように見えても塗装を落とすところまで必要のない状態もあります。
そんなときにサンポール等でガシガシ塗装を破ってしまっては本末転倒です。

サビ呼び作業です

バイクに対して自分で面倒をみたい気持ちが先行しすぎるのもあまり感心しません。
ネットにはいろいろな情報がすぐに手に入りますが、経験の浅いうちはあまり冒険はせず、プロに見てもらうことも必要です。

例えば強度が重要な場所のボルトやナットの場合、再利用することがリスクとなる場合もあります。
再利用してもいい所なのかダメなところなのか、経験者に教えてもらいながら、ちょっとずつスキルを溜めていけばいいのではないでしょうか。

ご覧の様に錆を落とすのはわりと簡単です。強力なケミカルやツールがわんさかあります。
はじめてバイクに乗り始めた人が手こずるのは、サビの再発を防ぐことです。
落としたら予防するをお忘れなく。