バイクメンテの基本 – 自分でやる?それともお店任せ?

メンテナンス

自分でどこまでやれるかバイクメンテナンス

はじめて手に入れたバイク。
大事にしたいしメンテナンスも自分で出来るようになりたいと思うライダーもいれば、「年齢もそこそこだし、メンテナンスはバイク屋さんにお願いして走ることに専念しよう」と考えるライダーもいます。

バイクのメンテナンス
タイトルなし / Grahambones

実際のところ、だれが整備をしようが、バイクを存分に楽しむことはできます。
ただ、基礎的な整備の知識があれば、イザという時にとても役に立つのも事実です。

柔道の受け身のようなものです。転倒の際に打ち所が悪く重大な結果を迎えるか、あーびっくりしたで済むのか。中学時代の体育の授業で体が少しでも覚えていたおかげで、結果が変わってくることだってあります。

バイクメンテを多少かじっているだけでも出先で助かること、わりと頻繁にあります。
バイスプライヤーを1本積んでいると助かることも多いです。転倒で折れたレバーの代わりになることもありますし、緊急時にはボルトナットを締め直すことも可能です。

整備の基本的な知識とちょっとの実践体験があれば、非常時の対応範囲が断然ちがってきます。

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ほかにも見逃せないのが節約効果。
こまめなメンテナンスは維持費を節約する効果もあります。

手間や技術のいるものはバイク屋さんに任せるにしても、頻繁なものやカンタンなメンテナンスは覚えておくと必ず役立ちます。
この機会にぜひチャレンジしてみてください。

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バイクメンテナンス3つの区分

初心者の方にバイクメンテで何を想像するのか聞くと、オイル交換やブレーキパッド交換、チェーンの給油やタイヤの空気圧調整あたりの答えが返ってきます。
メンテナンスとひとことで言ってもその内容は多種多様で、誰でも簡単に実行できるものもあれば、経験を積まないと難しいものまで様々です。まずはバイクメンテナンスを次の3つに仲間わけして考えるようにしてください。

1.部品の寿命を伸ばし、機能を維持するための『清掃・点検・調整・注油』
2.油脂やクーラント、ブレーキパッドなどの『消耗品の交換』
3.経年劣化や故障などの『修理・オーバーホール』

いろいろな整備経験を積み、こなしてきた整備種類が増えていくと、この3つを意識するようになります。
極論を言えば、バイクのメンテナンスについてはこの3つがすべてと言っても過言ではありません。

『清掃・点検・調整・注油』の作業例

洗車
クラッチ・ブレーキワイヤーの遊び調整・注油
チェーンの遊び調整・注油
レバー・ペダルのピボット部への注油
メインスタンド、サイドスタンドの注油

4つも項目があるので不思議に思われるかもしれませんが、これら4つの項目は一連の流れになっています。

洗車、清掃をしながら各部を点検、必要に応じて調整や注油を行う。

この過程を日常的にすることで、車両の状態は常に良好を維持することができます。

消耗品の交換作業例

タイヤ
ブレーキパッド・ブレーキローター
エンジンオイル・クーラント
各種フィルター
バッテリー

『清掃・点検・調整・注油』さえしっかりと行っていればバイクの調子は良い状態を維持します。ですがバイクには定期的な交換が必要な消耗品もたくさん使われています。
ブレーキパッドやローターは使うたびに摩耗は進み、エンジンオイルも徐々に性能が低下していきます。消耗品は適切な時期に交換が必要です。

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経年劣化や故障などの『修理・オーバーホール』

極論ですが、壊れた部品、摩耗変形した部品を『交換』しつづけることが出来れば機械(バイク)は永遠に稼働し、使いつづけることができます。

痛んだ部品は交換すればいいとはいえ、適切な時期に『清掃・点検・調整・注油』を行えば経年劣化や故障の発生率を著しく低下させます。定期交換部品を除いて修理が必要なほどの経年劣化というのは、国産であれば期間なら10年、数万キロ程度の走行距離では故障はなかなか起こりません。ですが距離が延びればいずれ調子を崩しはじめるものです。

起こる故障の種類は車種によってもさまざまですが、いい加減に行ってはいけない作業ばかりです。特に重要な保安部品の修理などは本来なら整備士がすべきことで、自分で修理するのであれば、経験者の指導や事前の学習が絶対に必要です。

タイヤの空気圧を適切に保つことで、タイヤを長持ちさせることができます。
開放型バッテリーの電解液、適切に純水を補充すればバッテリーの寿命は2年が4年にだってなることがあります。
一日数km走行のような短距離走行を繰り返さず、バイクを動かす日は一日最低30kmは走るようにするとオイルへの水分混入量を激減させることができ、オイルの寿命を延ばすことが出来ます。ひいてはエンジン内部の状態も好調を維持しやすくなります。
キャブ車の場合、夏と冬にセッティングを微調整し常に正常な燃調を保つことでカーボンの堆積を防げるケースもあります。
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バイクメンテは上手な節約術

バイクメンテを自分でする意義のひとつに節約効果があります。

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例えば走行距離2万km毎にホイールのベアリングを交換したとします。3回目あたりからホイールのハウジングが痛み、ベアリングが圧入できなくなる可能性があります。
走行距離6万kmでホイールまで新しいものを用意しなくてはならないかもしれません。本当にそうなれば結構な出費です。

さて、ホイールベアリングの交換サイクルを伸ばすために、1~2万km毎にベアリングのグリスアップを行ったとします。
グリスアップすることでベアリングの寿命が延びます。仮に7万kmとします。根拠は実際に私が乗っているバイクが6万kmで無交換で交換の必要がまだないからです。
かかったのは、ほんのちょっとのグリス代と1~2万km毎に1、2時間ほど整備に時間を使ったこと。

この例で、走行6万kmの時点で節約できたものを列挙してみます。

・ベアリング交換2回分の費用と整備時間
・ホイール一本の金額

このように各部の清掃と注油は整備時間とバイクの維持費を大きく節約できる可能性があるわけです。

ベアリングのグリスアップは賛否ありますが難易度が比較的低い作業です。 オサイフに優しいことはもちろん、締付トルクの管理にもなります。
走行フィーリングも改善しライダーにとってはいいことずくめです。

これからバイクメンテを自分でしようと思っているのなら、まずは『清掃・点検・調整・注油』をしっかりと覚えましょう。次に消耗品の交換。
慣れてきたら簡単な修理作業から徐々に経験を積んでいくことをオススメします。
そして慣れていない作業やリスクがあると思う作業についてはプロの整備士にお願いしましょう。

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バイクメンテの実態をブログ記事で見てみよう

まずは工具や場所をそれほど必要としない『清掃・点検・調整・注油』から見てみましょう。ほんの少しの工具とケミカル類を用意すれば、マンションの自転車置き場でも出来るものばかりです。

1.バイク洗車

いつも綺麗なバイクに乗っていれば気持ちいものです。
洗車しているときにバイクの異常を発見することも多いので、バイク洗車は最初のバイクメンテナンスだと言われています。
しかし、間違ったバイク洗車で愛車を痛めることも。
吹き上げをしなかった為にサビだらけになったり、タンクやカウルなどの塗装面を傷つけてしまったり。
正しいやり方を覚えて、安心してバイクが出来るようになりましょう!

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バイク洗車の2大流派とは | ふたつの洗車法・解説ページ
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2.バイクのサビ取り・ステンレスの焼け取り

洗車中、愛車にサビを見つけたらどうすればいいのか?
実はサビ取り自体はそれほど難しいものではありません。
ちょっとのケミカルと工具があれば数分でできてしまいます。
本当に難しいのは、サビ取り作業のあとサビを再発させないことです。

ステンレスのエキパイやマフラーの焼けも同様、根気かケミカルがあれば気軽にできるメンテナンスです。再発は免れないのでやるかどうかはモチベーション次第ですが。

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サビ取り(ボルト・ナット・ワッシャー類)
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3.チェーンメンテ

チェーンメンテをめぐる3つの派閥闘争
エンジンオイルも宗教だが、チェーンメンテもちょっと宗教入ってる 消耗品なのだからそんなこだわらなくてもいいのに。 なんて頭では理解できていても、こだわらずにはいられない求道者たちの群れ。 もうたかがドライブチェーンなんて言っていられない!

意外と気にしない方が多いのがチェーンメンテナンスです。
なんと結構大きなレース経験者でも年に1回するかしないかという人も。(もちろんシールチェーンです)
ですが、チェーンのフリクションはみなさんが思っているよりも大きいものです。マフラーを交換したり、出力を上げるようなチューンをしている方なら、チェーンメンテナンスを怠ることは片手落ちです。
メンテナンスしていないチェーンのフリクションの影響は出力だけに留まりません。
油切れチェーンのフリクションはシフトチェンジにも影響します。
ギアチェンジしにくい原因となることも。
直接的には前後スプロケットの摩耗、間接的にはシフトフォークやシフトドラム周りを摩耗させます。
摩耗したら交換すればいいだけですが、お金や手間を考えると、普段から定期的なチェーンメンテナンスをするだけで、環境にもよりますがチェーンとスプロケットを3万km近くまで持たせることもできます。
シールチェーンの場合はシール部の素材を劣化させにくいシールチェーン用のルブを選びましょう。使える物は商品説明に必ず明記されています。
市販されているバイク用のチェーンルブの9割はシールチェーンに対応していますが、中にはそうでないものもありますのでご注意ください。「チェーンが伸びる」といいますが、実際にチェーンが伸びているわけではありません。
チェーンではプレート同士をピンが繋いでいます。このピンとその相手(ブッシュ)が摩擦により痩せて、ピン同士のクリアランス(隙間)が広くなり、結果として全体的に伸びた様になります。
つまり、強く引っ張っているからプレートが伸びているのではなく、スプロケットによりチェーンが曲げたり伸ばしたりされ、徐々にピンとブッシュの間にすき間ができるから伸びるのです。
潤滑させるべきターゲットのひとつはこのピンです。ここに注油するためには内プレートと外プレートの間にある狭いすき間です。
この「チェーンが伸びる原因」はしっかりと覚えておいてください。
チェーンプレート表面をルブでコーティングしても、防錆の意味くらいしかありません。(もちろん防錆も重要です)
もうひとつの注油ポイントがあります。ローラー部です。ローラーはプレートに挟まれたコロコロと転がる部分、スプロケットが直接接触するところです。このローラーも内側ではブッシュ、両サイドはプレートからつねに摩擦を受ける部分です。内プレートとローラーの間もしっかり注油してください。
書いていてなんだかややこしくなってきました。そのうちイラストを用意しますね。

最初はどのメーカーのものでもいいので、チェーンルブ、クリーナー、ウエスを用意しましょう。
ドライタイプ、浸透タイプ、余ったオイル等、こだわり出したらいろいろ試してみましょう。

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浸透タイプのチェーン潤滑剤です。私自身ここ3年で2本購入しました。他に類似製品が少なく非常にアヤシイ製品ですが、確かにフリクションロスが体感できる、とても性能の良い潤滑剤です。
持ちはそれほど良くないので長距離ツーリングにも携帯して500km毎に注油しています。
チェーンルブとしては高額ですが、スプレータイプと違いチェーンに点滴するタイプなので一回の消費量が少なく、私の場合一本で1年以上もちますのでコストパフォーマンスは悪くないです。
普通のルブに飽きたら一度試してみてください。みなさん驚かれることと思います。

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4.エンジンオイルメンテ

エンジンオイルの交換サイクルはエンジンの寿命に大きく影響します。

G650GSのオイル交換がややこしすぎる話。
10日ほど前に行ったオイル交換、まだ尾を引いています。 オイルをしっかり抜いて、1.7 lほどオイルを注入。 しっかりアイドリングを行ったあと、ゲージ上限までオイルを入れて入ったオイルは合計2.7 l。 ちょっと多く入っているはずだからと、

公道使用前提で日本製バイクならしっかりメンテすれば10万キロ以上持つエンジンがほとんどです。
もちろん例外もありますが(高出力エンジンでサーキット走行で酷使、排気量による差等)
ですが、公道で普通に乗るくらいですと、新車で買って、エンジンオイルをほとんど交換しなくても2万キロくらい平気で使えてしまうことがあります。次の買い替えまでエンジンが壊れずに使えてしまうわけです。

そのため、ライダーの考え方や車種次第で交換サイクルに幅があるのが現実です。
エンジンオイルは走行距離に応じて確実に劣化します。アクセルとエンジン出力でライダーが劣化を認識することは難しいのですが、シフトフィールは比較的認知しやすいため、これを目安にする方が多いと思います。バイクに乗り始めたばかりの方は距離を目安に交換するのが適切です。
シフトフィールが悪くなってから交換はちょっと遅いので、いつもシフトフィールが悪くなる走行距離を記録し、その少し手前、シフトフィールの悪化前に交換することがベストです。
フィルターはオイル交換2回に1回。交換する理由はフィルターに異物によって微小な穴が空く消耗品だからです。
バイクではオイルフィルターは形状が同じでも必ず車種専用品を使う方が無難です。
同じ形状に見えていますが別物です。オイルフィルターは設計上、掛けられる圧力が設定されています。車種によってオイルポンプ圧が違うことがあり、車と違いバイクの場合は(特に外車)トラブルの原因となります。
高価なものや安価なもの、様々なメーカーからいろいろなエンジンオイルが販売されています。いろいろ試してフィーリングの違いを感じることも楽しみ方のひとつだと思います。

5.ケーブルメンテナンス

ケーブル類のオイルメンテのターゲットは、クラッチケーブル、ブレーキケーブル、スロットルワイヤー類です。

スロットルワイヤーの油通し
ブレーキパッド交換しながら、そういえばスロットルワイヤーの油通しは何年もしていないなと思いだしました。 別に重くなっていないし、それほど負荷が大きいワイヤーでもないので切れたりすることもほとんどないのですが。 せっかく気になったのだからつい

メーターケーブル等の壊れても走行できるものについては、メンテナンス方法はマニュアルに載っていませんので、壊れた時に交換でいいでしょう。
ワイヤー専用のグリスは粘度が高いものが多いですが、中には低粘度のオイルのものもあります。
ワイヤー用のグリスは粘度のあるものの方が流れ出しにくくなっています。水分の混入もちゃんと考えて配合されているので、ワイヤーメンテナンスは専用品の方が安心です。グリスのフィーリングを嫌うライダーの中には、粘度の低いオイルを使用している方も多くいます。
粘度が低いため、すぐに流れ出るので頻繁に注油する必要があります。

持ちの良い、粘度の高いワイヤーグリスを使う場合、インジェクターを利用すると便利です。
これを使い、パーツクリーナーでワイヤー内部を洗浄、エアダスター等で乾燥させてから、グリスを注入します。
インジェクターは使い方にコツがあります。慣れるまではふきこぼしてしまうことがあるかもしれませんが、粘度の高いワイヤーグリスを使うのでしたら使い方に慣れてください。
インジェクターを使えばグリスをワイヤー内部にしっかり圧入できます。

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先ほど紹介したチェーン潤滑剤、CPO-Rですが、実はケーブル類のメンテナンスにも使えます。
気が向いたときにCPO-Rを1滴、クラッチワイヤーに塗布し、何度かレバーをニギニギしてやれば作業は完了です。
浸透圧のためか、すっとCPO-Rが内部に吸い込まれていき、クラッチがとても軽くなるのが体感できます。
CPO-Rの説明書きにワイヤーメンテナンスにも使えると書いていたので、現在検証中なのですが使い始めてから2.5万km、最初のケーブルが無交換で使えています。
それ以前まではインジェクターとワイヤーグリスを使っていましたが、レバーの初動がグリス入れ立ての時よりも明らかに軽くなっているので、耐久性さえ問題なければ使い続けようと思っています。
チェーンとワイヤーの油類がひとつにまとめられたのも嬉しいですね。
ちょっぴり怪しげな製品なので万人にオススメはしかねるのですが、新しいもの好きさんなら一度試してみても面白いと思います。

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6.ブレーキフルード交換

ブレーキフルードを交換したのだ!Part2
ブレーキフルードを交換しました。 前に交換したのはちょうど2年前の8月。車両購入後半年くらいのころでした。 今回写真を撮っていないのでアイコンは2年前のもの。 ブレーキフルードは2年毎の定期交換 前回の交換時、リザーブタンク内のフルードは綺

ブレーキフルードは2年毎に交換するようにしてください。状況次第では2年以内です。
ブレーキフルードの劣化の一番大きな原因は空気中の水分を取り込んでしまう事です。
高温になった際に、ブレーキライン内で気泡となり制動力が落ちます。
この劣化は簡単に体験できます。2年経ったフルードのバイクをコースに持ち込んで数周ハードブレーキを繰り返していると徐々にタッチが悪くなってくるのが確認できます。
逆に同じバイクで街中を流しているだけならそのようなタッチの変化は起こらないかも知れません。
ですが、ブレーキフルードは高価な物でもないですし、2年以内で交換しても大した出費ではありません。
そのままでも大丈夫だろうと思わずに2年以内の交換をオススメします。

7.ケーブル類の交換

G650GSメンテナンス|クラッチレバー分解清掃
今日はバイクに乗らない日。 先日からなんやかやバイク弄りが趣味みたいになっていて、今日も惰性でメンテナンスに1時間ほど使いました。 クラッチレバーを分解清掃です。 別に何か気になることがあったわけでもなく、単に1時間で済みそうな手頃なターゲ

レバーや取り付け部分さえ取り外せれば、元々通っていた場所に新しいケーブルを通すだけなので難易度は低いのですが、車種によってはカウルやタンクを取り外す必要がある為、時間を食うことがあります。
交換が面倒くさいものぐささんは、日頃のワイヤーメンテナンスをしっかりやって、できるだけ長くケーブルを使えるように心掛けましょう。

8.ブレーキパッド交換

ブレーキパッド交換とホイールベアリンググリスアップ作業
唐突に『がんばれ南海部品!』 G650GSのリアのブレーキパッド交換をしなくちゃと思いつつのびのびになっていましたが、ひさしぶりの晴れた日曜なので重い腰を上げてみました。 パッドは南海部品で調達。 伊丹の大型店舗にパッドの在庫確認したところ

キャリパーを外さなくても交換できるものが最近は多いと思います。
その場合交換はかなり手軽です。
キャリパーを外す必要があるタイプならトルクレンチを用意したり締め付けトルクを調べる等の準備が必要です。
重要な保安部品ですから、手に余るなと思ったらお店でお願いすることも考慮しましょう。

9.パンク修理

チューブレスタイヤのパンクは専用の工具もセットで安く携帯に便利なものが販売されていますので、ぜひマスターしましょう。コンパクトな携帯タイプのものを選べば旅先での心配事も減りますしね。

注意してほしいのは「パンク修理剤」です。
パンク予防にと事前にタイヤ内に充填するタイプのものは、ホイールに付着・固化しあとあと面倒です。さらにホイールに腐食を発生させやすくなります。
旅先にはパンク修理剤を持ち運ぶかロードサービスを呼ぶ方ことをオススメします。

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余談-工具セットは必要?

いいえ、すぐに必要なものではありません。
ツールボックス等、セット売りの工具セットは割安感はありますが、とりたててすぐ必要なものでもありません。必要な工具・ケミカルを少しずつ揃えていけば十分です。
理由は簡単です。工具箱は重くてかさばります。また箱とセットになっている工具だけでは不十分なので買い足しが必要なのですが、どのみち、これらすべての工具をひとつの工具箱に収めることができないからです。
もちろん利点もあります。ドライバーからソケット一つに至るまで入れる場所が決まっているので整理整頓が苦手な方でもきれいに工具を保管できます。置き忘れたレンチ一本をしまい忘れている事が一目で分かります。バイクの中に置き忘れる失態を演じなくて済みます。
ですがバイク屋さんになるわけでもありませんし、ホームセンターで売っているような樹脂製の工具ケースや布製の工具入れと、当面必要な工具類を買いそろえてからスタートしても十分だと思います。
最初の頃は工具を変な使い方をして壊すこともあるかもしれません。工具の使い方を把握した後、いずれ本格的なツールボックスが欲しくなったら、その時に考えてみてはいかがでしょうか。

余談-車載工具について

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車載工具は自分でできる修理内容で選べ!最低限の工具の選び方
ツーリング中に絶対直さなきゃいけないわけじゃない みなさんは車載工具どうしていますか? 最初から車両についているものだけ携帯? それともいろいろ買い足してますか? 出先でいろいろな修理に対応できるよう買い足している方も多いと思います。 実は...

出先でできる修理の範囲を増やそうとネットなどで「オススメ車載工具」を探したりしていませんか?
ひとつふたつならいいのですが、いずれ持ち運ぶものが増えて荷物の半分が工具なんて状況になっていまいます。むしろ車載工具を減らすことも考えてください。
自分でやる可能性のある修理だけに絞り、その作業に必要な工具だけを持ち運ぶ方が経済的ですし、車体も軽いままでいられます。どうぞご一考ください。

10.チューブタイヤのパンク修理

チューブタイヤのパンク修理の場合、タイヤをリムから落とし、チューブを引っ張り出す必要があります。
出先でこの修理を行う為にはいくつかの条件を満たさなくてはなりません。

・ホイールを外す為の工具、タイヤレバー、予備チューブ等を携帯していること
・車体にセンタースタンド等が付いており、ホイールが外せること
・暗い路上では作業ができないため夜間は光源も必要。

このようにチューブタイヤのパンク修理はかなりハードルは高いです。
JAFなどのロードサービスが来られる距離までなんとか移動してレッカーされることをオススメします。
ちなみに、JAFのロードサービスは、チューブレスなら修理してくれますが、チューブタイヤの修理は出来ません。
無理をして走行を続けるとタイヤやチューブはもちろん、ホイールまで破損することがありますので無理は禁物です。

初めてJAFを呼んでパンク修理をしてもらった話
電話からわずか1時間30分でパンク修理して貰えました。いままでJAFを呼ばなかったことを後悔した話。

11.タイヤ交換

タイヤ交換はコツや経験が必要な作業です。
細いタイヤであれば比較的やりやすいので自分で交換する方もいます。
自分でタイヤ交換する作業を「手組み」と呼ぶこともあります。

太いタイヤの手組みは難易度が高く、ホイールに傷をつけやすい作業であり、ホイールバランスや安全性に考慮できる豊富な経験が必要です。
信頼できるショップでお願いすることをおすすめします。

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バイクの異常や違和感を感じたら

しっかりメンテナンスをしていても、走行距離が延びると各部消耗してバイクのバランスが崩れてきます。ハンドリングもそのひとつです。トラブルや異常を早く察知できるようになれば、愛車にもっと愛着がわいてきますよ。

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原因から逆引き!ハンドリングの異常・違和感
原因から逆引き!バイクのハンドリング異常・違和感対策 意外に思うかも知れませんが、ライダーは日常的にバイクのハンドリング異常や違和感を感じています。違和感や異常はライダーの体が先に気がついて無意識に補正してしまうことも多いので、気がついてい...
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バイクの不快な振動を押さえる4つの対策
バイクに乗っている時の不快な振動を押さえる3つの対策 バイクも走行距離を重ねると振動が大きくなることがあります。 また、鼓動感を出すためにはじめから大きな振動を発生させているバイクもあります。 新車の頃は気にならなかった振動も、長距離を走る...