車載工具は自分でできる修理内容で選べ!最低限の工具の選び方

メンテナンス

ツーリング中に絶対直さなきゃいけないわけじゃない

みなさんは車載工具どうしていますか?

最初から車両についているものだけ携帯?
それともいろいろ買い足してますか?

出先でいろいろな修理に対応できるよう買い足している方も多いと思います。
実はわたしも少しずつ車載工具が増えていったひとり。

8年ほど前にG650GSというアドベンチャーバイクを中古で購入して、工具を買い足しました。
スポークホイールに換装していたのでチューブレスのようなコンパクトな修理器具ではパンク修理ができません。そこで携帯タイプのタイヤレバーとチューブの補修具、予備のタイヤチューブ、携帯エアコンプレッサーを携帯することにしました。

予備チューブ(前輪・後輪併用)約600g
タイヤレバー約500g
パッチキット約150g
携帯エアコンプレッサー1400g

ところが!追加の工具はあわせて2,650g。
修理できる項目をひとつ増やすために、車載工具が約2.6kgも増えるのです。
もちろんシート下に収まる量ではありません。別に用意した専用バッグに入れて車体に固定します。

ひと気のない林道にいくからと用意したパンク修理の車載工具ですが、結局この8年間で使われることは1度しかありませんでした。
ツーリング途中でバイクが動かなくなって、その場で整備をはじめることってありますか? 多くの場合、トラブルが起こればレッカーでバイクショップに直行ではないでしょうか?

実際のところ、車載工具で対応できるシーンというのは限られます。
どこまでなら自分で応急修理をするか、どこからレッカーで運ぶのか。
必要な車載工具というのは、その観点から眺めることでかなり減らすことができます。

今回は必要最低限の車載工具の選び方、オススメの工具を紹介したいと思います。

車載工具は直せる故障に合わせて選ぶ

旅先ではどこまでの修理をするのか。自分の修理スキルに見合った、ツーリング中にできる修理内容あらかじめ想像しておくことが大切です。次の例を参考にご自身でも考えてみてください。

ツーリング中にやれる修理例

・チューブレスタイヤのパンク修理
・バッテリーターミナルのゆるみ点検
・ヒューズ交換
・ラジエターチューブの穴あき応急修理
・ジェネレーターカバー、クラッチカバー等の穴あき応急修理
・レバー、ペダル欠損の応急修理
・灯火類のバルブ交換

車載工具で修理を試みたところで状況次第では修理できないこともあるでしょう。
そんなときは諦めてレッカーです。
そして、これら以外の修理もすべてレッカー案件だと割り切ります。

どこまでの修理なら自分でやるのかをイメージすることで本当に必要な工具が見えてきます。

必要となる車載工具

・チューブレスパンク補修キットと携帯ポンプ
・予備ヒューズ・予備バルブ
・バッテリーやヒューズボックスに到達するのに必要最低限の工具
・ダクトテープ。スペースに余裕があれば金属パテも。
・予備レバーやバイスプライヤー(ロッキングプライヤー)

いかがですか?
車載工具に入っているプラグレンチなどは2ストでもなければ、出先での活躍の場はありません。
そんな使わないものはとりあえず別の袋に入れて、本当に使うものだけを選べば持ち運ぶ工具は削減できます。
そしてこの選別はあらかじめトラブルのシミュレーションにもなるのでぜひオススメしたい工具選別の方法です。

念のため使い方もご紹介します。

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・チューブレスタイヤのパンク修理

チューブレスタイヤの修理は手順だけ言えばとてもカンタンです。
穴を専用のリーマーでならして、接着剤塗って、ラバースティックを穴に挿入します。
余ったラバースティックを切り落とせば完成。走行してタイヤに熱を持たせることで同化が進みます。

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と、カンタンそうに書いてますが失敗することもあります。
まず、リーマーで穴をならす作業ですが、異物がどの方向に刺さっていたのか、見極めることが必要です。万一、穴と違う方向にリーマーを突き刺せば、穴が2か所に増えてしまいます。
またリーマーで整える作業が不十分だと、穴が小さすぎてラバースティック挿入時にちぎれてしまうこともあります。

簡単な修理といえども、経験していなければ失敗する可能性も低くありません。

バッテリーターミナルのゆるみ点検とヒューズ交換

ターミナルの緩みによる不調というのは電装系の不具合によくあるケースです。
エンジンや灯火類の不調など、いろいろな症状の出方があるので、電装系に不具合を感じたら真っ先に疑う場所です。

電装系異常はサイドスタンド等のスイッチやセンサー類の故障なども考えられますが出先で突き止めるには知識と経験が必要です。
とりあえずターミナルもちゃんと緩んでいない、ヒューズの状態も問題ないとなれば、その場で直せる可能性はほとんどありません。素直にレッカーされましょう。

とにかく、バッテリーやヒューズボックスにアクセスするための、必要最低限の分解の経験を積んでおく必要があります。車種によってはバッテリーに辿り着くことが困難なバイクもたくさんあるので、その際はレッカーしてもらいましょう。

ラジエターチューブの穴あき応急修理

程度にもよりますが、穴を塞いで注水できる場合、穴あき部にダクトテープを巻くことで走行可能な場合があります。

blankblankですがこの方法、おそらくプロの整備士は絶対に勧めないでしょう。
それは、これが原因でバイクに致命的なダメージを負わせることもあるからです。
このページでもオススメしませんが、過去にこの応急処置で少しの距離を移動させることができました。ダクトテープはいろいろな用途で使える便利なアイテムです。お守り代わりに、最後の手段として携帯するのは悪くありません。

ジェネレーターカバー、クラッチカバー等の穴あき応急修理

転倒してエンジン下部が割れるというのはわりとよく起こるトラブルです。小さな亀裂程度であればよく拭いて、ダクトテープで目張りすることで多少の距離なら移動できる場合があります。

blankblankその他エポキシ系の金属パテも同様に穴をふさぐことができます。
ただし、こういった状況であれば可能であればレッカーで運ぶのが普通です。本当に緊急時の応急処置としてこういう方法もあったという事例として紹介させていただきました。

レバー、ペダル欠損の応急修理

レバーやペダルについては、基本的に予備レバーと交換するだけです。ですが、やったことがなければ余計に事態を悪化させることもあり得ます。
挟んで固定できる小型バイスプライヤー(ロッキングプライヤー)はレバー変わりにできるケースもありますので予備レバーの代わりにこのバイスプライヤーを持ち運ぶこともオススメです。

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