バイクを手に入れたら真っ先に買う7つのケミカル

メンテナンス

みなさん、はじめて手に入れたバイクを眺めて、大切にしたいという気持ちはあっても、お手入れやメンテナンスをどうやったらいいのか分からなくて困ったりしませんでしたか? 私がはじめてのバイクを手に入れたときそんな気持ちになったことをよく覚えていますし、それは最近バイクをはじめて手に入れた方も変わらないと思います。

はじめてバイクを手に入れたばかりなら、定期点検や困ったことがあれば、ヘタに自分でなんとかしようとするより、バイクショップに頼むのが正解です。

でも、できることなら、少しは自分でやってみたい!

ここでは、バイク初心者がメンテナンス技術を身に着ける為にどのようなことをすればいいのか、そして最初に揃えるべきケミカルが何なのかについて解説します。

インターネットもなかった昔はどうしてたの?

はるか昔、ライダーはバイクショップの軒先を借りて店主に教わりながら自分でバイクを整備したり、洗車したり。仕事が終わってから仲間の実家の納屋に夜な夜な集まっては整備したり。
仲間やショップの店主から教わって少しずつ自分でできることを増やしていました。
2020年代の現在、そんな風情のある景色はとんとみられなくなりましたが。

いまはインターネットで検索すれば一般的なメンテナンスの情報ならいくらでも手に入ります。
便利な世の中になったものです。

ところで、初めて自分でバイクの整備を行う時、ぜひ知っておいてほしいこと、気を付けてほしいことがあります。

・ケガをしないようにすること
・工具の正しい使い方

手の皮がムケたり、指を切ったり挟んだり、ヤケドしたり。
最初の頃はいろいろなケガをします。ですが工具を正しく使う方法を知っていれば、ケガの6~8割は防げます。
また状況に応じて軍手をしたり安全靴をはいたり、チェーンを触るときには必ずエンジンを止めるなどの基本を押さえておけばさらにケガは減らせます。

趣味でケガをしてしまっては本末転倒です。最低限のメンテナンスの知識として、工具の正しい使い方とケガしやすい事例を覚えておくことが大切です。どれでもいいので評判のよさそうなものを1冊、初心者向けのメンテナンス本を読んでおくことをオススメします。

初心者が最初覚えるメンテナンス

自分でバイクメンテをしよう!と思ってみても、一体何からすればいいのか、みなさん初心者のころ、想像できました? 私はまったく想像できませんでした。

とりあえず、バイク乗りが自分でよくやるメンテナンス上位のものをいくつかピックアップしてみます。

1.洗車
2.チェーンメンテ
3.オイル交換
4.ワイヤー注油
5.ラジエターホース等のゴム表面の洗浄と保護
6.スタンド、レバー・ペダルの軸部分への注油

洗車がメンテナンス?
なんて思われるかもしれませんが、立派なメンテナンス。
洗車中に気づくトラブルや問題のなんと多いことか。洗車は大切なメンテナンスのひとつです。

1.洗車

洗車はメンテナンスの最初の一歩。洗車中にバイクの異変に気付き、大きなトラブルになる前に手を打つことでお金や時間も節約できます。
これ、大げさではありませんよ? 最初のうちに洗車の習慣を身につけましょう。

洗車方法については別のページにかなり詳細に書かせていただきました。そちらをご覧ください。

2.チェーンメンテ

バイクのドライブチェーンのメンテナンスといえば、汚れを落として注油することをいいます。
チェーンメンテの目的は、サビ予防・シール保護・長寿命化の3つ。
定期的な洗浄・注油により、チェーンとスプロケットという車輪側とエンジン側の両方にある歯車の寿命が確実に伸びます。
チェーンメーカーはおよそ走行500km毎又は雨天走行後にメンテナンスすることを勧めています。

洗浄後のスプロケまわり

基本的なやり方はチェーンクリーナーで汚れを落とし、チェーンルブで注油するという流れになります。チェーンメーカーのサイトにはメンテナンス方法が動画付きで紹介されています。

メンテナンス | アールケー・ジャパン株式会社
Chain Maintenance チェーンのメンテナンスについて チェーンは重要保安部品です下記要点を守り安全に御使用ください。

もうひとつオススメの方法として、やわらかいオイルででこまめにチェーンを拭く。という方法もあります。
昔はサービスマニュアルにチェーンのメンテナンス方法として、エンジンオイルで拭くと指定されていることもありました。シールチェーン全盛の今はどこもそんな指定をしていませんが。

この方法、300km毎くらいでウエスにしみこませた柔らかめのオイルでチェーンを吹き上げるだけなのですが、実はこの方法によりチェーン、スプロケットの寿命がルブでメンテナンスするよりもかなり長くなります。
頻繁に行えば新車から手放すまで、交換せずにいけることもあります。

それに短いスパンでメンテすることでヨゴレが固着していないため、汚れが落ちやすく、極論、やわらかいオイルで拭くだけで、クリーナーも使う必要がありません。
柔らかいオイルによる注油はオススメのチェーンメンテナンスです。

作業中、チェーンとスプロケットの間に指を挟まれたりだけはしないように気を付けてください。

3.オイル交換

セルフメンテナンスを趣味とする方はオイル交換から始める方がたくさんいます。
そして、高性能なオイルほどバイクが長持ちするとか、どのくらいの距離で交換するのがいいとか、いろんな疑問を持ち始めることになります。
ですがこれらの疑問に正解はありません。乗り手の乗り方、バイクの運用の仕方、季節要因など、オイルの寿命に影響する要素があまりにも多いからです。

とりあえず、エンジンを大切にするというスタンスでオイル交換をするなら、次の項目を目安にすれば、ほぼ間違いはありません。

1.基本的にメーカー指定のサイクルで交換。
2.通勤などで短距離の走行を繰り返す場合、距離関係なく半年に1回の交換。
3.オイル粘度と規格をマニュアル通りに合わせる。判断できない場合は純正オイルかバイク屋さんのオススメを選択する。

いつも1日の走行距離30km以下の方は要注意。重篤なシビアコンディションとなっている可能性があります。エンジンは燃焼により水蒸気を発生させ、それが冷えることでエンジン内部に少量ではありますが水が混入します。多少走れば混入した水分は蒸発するのですが、10kmや20km走ったくらいでは内部の水が蒸発しきれない車種もあります。

だからといって不必要に走らせるのも大変ですし、結露による水分混入はある程度許容して、早めのオイル交換で対処する必要があります。

メーカーは1万キロ毎の交換と書いていても、バイク屋さんがとりあえず半年に1回交換していれば安心という理由はこのあたりにあります。

オイル交換は周囲を汚しやすいので、バイク屋さんでお願いしてもいいかもしれません。
集合住宅では迷惑にもなりますし。
大手バイクショップのオイルリザーブや量り売りはコスト的にも安く交換できるので、ショップ任せもよい選択です。

4.ワイヤー注油

クラッチワイヤーやスロットルワイヤーのメンテナンスにはパーツクリーナーとワイヤーグリースを使います。パーツクリーナーで脱脂して、ワイヤーグリースを流し込みます。

ワイヤーグリースの代わりにCKM-001などの柔らかいオイルを使っても大丈夫です。

ですが、バイクショップで定期点検を行うのであればワイヤー内部に注油もしてくれると思います。それほど高い頻度でする必要があるわけではないので、覚えるのは後の方でいいかもしれませんね。

5.スタンド、レバー・ペダルの軸部分への注油

オフロードバイクや通勤用のバイクは特に気にした方がいいメンテナンスです。

カンタンに済ませるのなら、チェーンルブスプレーを軸部に注油するだけでもOK。
メンテナンスを楽しむつもりなら、分解してパーツクリーナーで洗浄、グリスアップして組付けという手順で行うのも楽しいかもしれません。

グリースアップする場合、耐水性もあるリチウムグリース等が適切です。

これをするかしないかで、5年後、10年後に影響がでてきます。
その頃はもう乗り換えているかもしれませんけど、将来古いカスタムバイクを乗るようになるかもしれません。今のうちに習慣づけて損はありません。

今回登場した初心者メンテに必要な最小限のケミカル

ようやく今回のメインテーマ、最初に手に入れておくべきケミカルについて紹介していきたいと思います。

リチウムグリース(万能グリース)

万能グリースの万能はどこにでも使える、使える場所が多いという意味です。
用途が多いのでたくさん使うことになりますが、500gもあれば数年は持ちます。

万能グリースの中でもリチウム系は、安価、NBR(材質のこと。ニトリルブタジエン酸ゴム。バイクで最もよく使われている一般的なゴム素材)を侵さないといった特徴があります。
そのためオイルシールリップ部などにもよく使われます。

高性能な万能グリースとしてウレアグリースも高性能で有名ですが、こちらはフッ素ゴムへの使用すると硬化、変質するので使用厳禁です。フッ素ゴムはガソリンの経路によく使われていますので覚えておきましょう。

リチウム万能グリースが用途が最も広いので最初のグリースにオススメです。
潤滑油マニアでもない限り、高級グリースに最初から手を出す必要はないと思います。

グリースは金属や摺動・可動する接触部のゴム類に使うことはできますが、塗装面や樹脂パーツに不必要に塗るものではありません。摩擦低下や止水目的でない場合、むやみに塗るのは控えましょう。

チェーンルブ

もともとホコリや摩擦のおおい場所に使うために開発された粘度の高いチェーンルブは、レバーやペダルの軸、メインスタンドやサイドスタンドなど、注油しなければ徐々に削れていってしまう場所への相性がとてもいい潤滑油です。
頻繁に分解清掃できない場所と相性がいいケミカルです。

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たまに洗車後を見計らって注油しよう!

チェーンクリーナー

チェーン清掃時に使用します。最初はチェーン清掃用のブラシも付いているのがオススメ。

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ワイヤーグリース

クラッチワイヤーやスロットルワイヤーのメンテに。他にもスピードメーターワイヤーなども。
このタイプのワイヤーグリースを使う場合、インジェクターも必要になります。

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ワイヤーのないバイクも最近は多いことと、それほど頻繁にする必要のないメンテですので、車検や1年点検に出しているならバイク屋さん任せでもいいと思います。

また、自分でメンテナンスする場合、CKM-001などの柔らかいオイルを流し込むという方法もあります。

金属用パーツクリーナー

スロットルワイヤーの内部の洗浄、分解した部品の洗浄などに使います。
ホームセンターなどで売られている安いパーツクリーナーは基本的に金属以外には使用できません。

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置き場所の問題で1本ずつ購入するならホームセンターで、まとめ買いするならネット通販がオススメ。

このタイプの安いパーツクリーナーはバイク外装のプラスチックや電気配線のビニール被覆などには使わないようにしてください。万一ついてしまったら早めにふき取ってください。

KUREパーツクリーナープラスチックセーフ

電気配線の被覆などビニールやプラスチックを洗浄する際にはKUREのパーツクリーナープラスチックセーフがオススメです。
プラスチックOKのパーツクリーナーの中でも特にプラスチック、ビニールに優しい成分となっています。特にプラスチックに優しい製品ですので代替品もなくこれ一択です。

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ラバープロテクタント

ゴムの保護にはラバープロテクタント。ドライブベルト、ラジエターホース、その他ライトのカバーなどに使えます。これらのゴム素材はオゾン、紫外線、熱により劣化が進みやすいです。直射日光があたる場所、高温になる場所はてきめんなので10年以上乗るならぜひ行いたいメンテナンスです。放置、汚れたままの状態とは劣化が全然ちがいます。

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ケミカルをまとめることができるCKM-001

最後にこのCKM-001をご紹介します。

見た目は普通の液状の潤滑油なのですが、非常に汎用性があり、シールチェーンの潤滑油やワイヤーケーブル内部の潤滑剤としても使えます。

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チェーン用オイルとして使用する場合、持ちが悪いので300km毎の注油が必要なのですが、もともとかなり柔らかいので、ウエスにとってチェーンを拭きあげるだけで洗浄と注油ができてしまいます。つまりチェーンクリーナーとチェーンルブが不要になるわけです。

ワイヤーグリースの代わりに10年近く使っていますが、これも柔らかいオイルのため、洗浄と注油を同時にこなしてしまいます。

と、このようにCKM-001にすることでチェーンルブ、チェーンクリーナー、ワイヤーグリースとワイヤーインジェクターが不要になります。

私自身、このCKM-001を2リットルほど使いましたが、これが原因と思われるトラブルもなく、繰り返し購入しています。みんなこれにすればいいのになんて時々思うくらいです。

これを使う上で気を付けることはひとつだけ。

一日500kmとか1000km走るときです。チェーンはカラカラになるので、遠方に行く時だけルブを使うか、小さなCKM-001のスプレーを持ち運ぶ必要があります。

 

 

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