真夏を乗り切る!バイク乗りの為の8つの暑さ対策

バイク写真(ツーリング) 暑さ対策

バイクに乗り始めて初めての真夏はもうお済ですか?

バイクに乗り始めて初めての真夏はもうお済ですか?
まだなら、結構効きますよ!楽しみにしておいてくださいね♪
このページに来られた方の中には

「このままじゃ暑さで死にそう!てか今にもに狂い死にしそう!」

なんて半狂乱の経験をされた方も多いのではないでしょうか?
あとは・・・若いころは体力で乗り切っていた夏も、最近の寄る年波に負けて暑さ対策を探している。なんて方もおられると思います。
せっかくバイクに乗るのだから快適に乗りたいのは自然な欲求です。ここではバイク乗りが意識するべき暑さ対策の基本と8つの対策を紹介します。

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暑さ対策の基本を知ろう!

さっさと具体的な対策を書けよという声が聞こえてきそうですが、少しだけ、手短にライダーの暑さ対策の基本を紹介していきます。暑さ対策はバイクに乗る時の快適さを求めるだけでなく、熱中症対策にもなっています。そして基本的に次のことに気を付けることがすべてといっても過言ではありません。手短に書きますので、長くバイクに乗り続けるためにも、下の基本的な知識だけはぜひ覚えておいてください。

1.直射日光対策

真夏の直射日光対策の基本は、肌を露出しないことです。肌に強い直射日光が当たると思いのほか肌表面が熱せられてしまいます。
涼しげだからとアロハを着て走ってみようものなら、強い日差しによる急激な体温上昇により体力を一気に消耗してしまい、場合によっては熱中症(日射病)を引き起こしかねません。
とにかく太陽光線の熱を体内に吸収しないことが重要です。バイクにのっているとこまめに休憩をとっているつもりでも、30分や1時間はふつうにバイクに乗り続けてしまいますよね?それは熱中症になってしまうのに十分な時間です。
ちょっと近所に買い物に出かける程度なら気にすることもないですが、基本的には素肌を太陽にさらさない工夫が重要です。

2.バイクの発熱対策

これはお乗りのバイクの種類によって随分異なりますが、高出力のエンジン(発売された当時、高出力のバイクという意味で)を搭載しているバイクはほぼ漏れなくライダーが火傷するかと思うほどの熱量を吐き出します。

ツアラーや小排気量車はそれほどでもありませんが、SSやメガスポーツといった排気量の大きなバイクは要注意です。暑さ対策というより火傷対策といっていいかもしれません。
バイク自体に手を加えることでできる対策もありません。革パンツのような熱を遮断する素材でできたものを着用することが唯一の火傷対策と言えます。そこまで熱くならない車種なら、夏用の高機能メッシュパンツなどで通気性を重視すると良いでしょう。

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どうしようもなく熱くなる車種にお乗りなら革パンツ。
そこまで熱くならないならメッシュパンツがオススメ。

3.効率的な汗の気化

体温の上昇を防ぐために汗をかくわけですが、じつは汗を効率よく気化させると思いのほか体温を大きく下げてくれるのです。
バイクウェア内部の通気性をあげることで効率よく汗を気化させれば、少なくとも走っている間は快適なライディングが可能です。本当に問題なのは信号待ちなどです。

重視するべきなのは走行風がないときの対策です。

停車中にバイクからの発熱から身を守る工夫はロングツーリングにおいてとても重要な位置をしめます。後で紹介しているような機能ウェアでの対策や、そもそも日中の暑さのつらい時間帯に走る場所を選ぶといった抜本的な工夫が非常に効果的です。

ヘルメットのエアフロー(ベンチレーション機能)も頭部の冷却に効果を発揮します。
下のページで少し触れています。ヘルメットの安全性が中心の記事ですがお時間があればぜひご一読ください。

4.定期的な水分補給

真夏のライディングでは、あなたの体の水分はどんどん汗となり抜けていきます。これは快適性というよりも熱中症対策です。快適さよりもまず最初に気にすべきことです。

エンデューロなどのレースでもハイドレーションバッグという走行しながら水分補給するアイテムがあります。

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さすがに普通のライダーがここまでの装備を使うのもどうかと思いますが・・・真夏に藪漕ぎする人は普通に使うかもしれません。

このようなアイテムをつかわなくても、こまめな水分補給を心がけると良いでしょう。のどが渇いたなと思ってから飲み始めるのは遅すぎです。NGです。

のどが渇いたなと思う前に水分を摂取することが重要です。

5.ライダー自身の耐久性(体力)強化

やはり最後にものを言うのは体力です!なんて言ってはそもそも最初に言っていた快適性云々といった話を忘れているのかと怒られそうですね。でも実際のところ熱中症に対する抵抗力などにも体力は重要なファクターです。
日頃から体を動かして体力をつけて、体が汗をかくことに慣れているライダーは熱中症のリスクも減ります。暑さでめまいや吐き気を頻繁に感じている方はぜひ自身の体力についてもっと真剣に取り組むべきです。

最後にものを言うのは体力!
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真夏を乗り切る8つの暑さ対策

ここで紹介させていただく8つの暑さ対策は、実践的で効果的なものを厳選させていただきました。

中には値の張る暑さ対策もありますが、暑さを我慢してもリスクが高まるばかりでいいことはありません。あきらめて財布のヒモを緩めてください。

1.真夏を迎え撃つ最重要アイテムは「メッシュジャケット」OR「空調服」

いきなり最重要アイテムの登場です。空調服はすでにみなさんご存じですよね?
この記事の初稿2013年当時はまだ空調服はキワモノ扱い。作業者も誰も知らない状態でした。
ですがホンダが「エアクールブルゾン」というバイク専用空調服という先走ったアイテムを販売していました。2011年には鳴かず飛ばずで販売終了という状況でしたが。

さて、この空調服の特徴として認識しておきたいことは「走行中は恩恵はないけど信号待ちなどでは非常に効果的」ということ。

走行中だけならバイク用のメッシュジャケットを着ていれば十分快適です。ですが一旦町中に入って信号に何回も止まるといったシチュエーションになると空調服が有利。

信号待ちの停車中でも上半身を強制冷却するわけですから快適性は格別です。
またバイクで旅をするとわかりますが、昼間は灼熱地獄、夜は極寒地獄といった1日の間に暑いと寒い、ふたつの地獄が交互に襲い掛かってくることがあります。そんな旅にメッシュジャケットで出かけようものなら、夜は確実に走行不能状態です。

空調服の利点はまだまだあります。空調服は汗を効率よく気化させることに特化したアイテムです。
汗がさっさと渇くので細菌が繁殖しにくく、結果異臭を抑えることができます。
メッシュジャケットを着て、水をぶっかけながら一日中走ったあと、自分の体のにおいを嗅いでみるとこの違いを体感できることでしょう。
空調服はふつうのジャケットに比べてバッテリーの管理やプロテクターの併用が難しい面もあります。ですから、あまり遠出はしないのであれば、普通のメッシュジャケットも十分と割り切ってしまうのも賢い選択です。

渋滞や信号の少ない場所にしかいかないのであれば、メッシュジャケット、東京や大阪、名古屋や福岡といった混雑、信号の多いエリアを多く走るのなら空調服といった使い分けてもいいかもしれませんね。

さて余談ですが、ロングツーリングにいくなら、荷物のすき間に通気性の良いシャツを一枚忍ばせておくのもいいですよ。アロハとかかりゆしでもOK。ツーリング途中、立ち寄った場所ではジャケットとプロテクターを外すと機能シャツ一枚ということもあります。上から何かを引っかけるだけでも、見た目も涼しげで不格好も多少マシになります。

空調服は若干敷居が高いと思われるので、バイクに乗り始めたばかりの方はメッシュジャケットから始めるのがいいと思います。

2.真夏の快適な旅には必須!「メッシュグローブ」

革製にくらべるとアクシデントでの防御力にやや難ありですが、最近は丈夫な製品もそろってきています。
インパクトとしては先ほどの空調服に比べるとやや弱い気もしますが侮るなかれ。
実は人間という生き物は汗による放熱機能が非常に発達した生物なのです。
特に手は人体にとってラジエターといえる程、放熱に有利な形状と発刊制御が行われています。
基本的に空冷するしかないライダーにとって、手を冷却のために有効に使うことは非常に効果的・実践的な暑さ対策となります。
レーシンググローブで指先がドロドロヌルヌルでクラッチやブレーキ操作することを思えば安全性とのトレードオフでもそれほど抵抗感なく装着できるアイテムですしね。
指先がないタイプのグローブもありますが、雨や汗でレバーから滑りやすくなるため、あまりオススメではありません。

Amazon : 『メッシュグローブ』で検索

3.体に荷物類を密着させない

ただでさえ暑くて体力の消耗が激しい真夏のライディングにおいて、体に荷物を装着することはできるだけ避けましょう。
バックパックやメッセンジャーバッグなんか背負ってウェア内の通気が悪くなっては元も子もありません。ウェストポーチくらいなら問題ありません。
荷物はバイクに積んで、ライダーは可能な限りフリーな状態で。

4.汗の気化を促進する「速乾インナーウェア」

自転車乗りの方がよく使っているアレです。汗がすばやく渇き、体温を下げる効果が高くなっています。最近は速乾性インナーウェアもバイク用のものが多数販売されています。通気性の良いジャケットと機能ウェア類を併用すると相乗効果でかなり清涼感を得られます。トンネルの中に入ると寒いくらい、すこしの風で別世界の快適さ得られます。価格もお手頃なのでまずはこれから初めてみてはいかがでしょうか?

バイク用がいいのは間違いないですが、インナーはコストパフォーマンスで選びたいところ。
目標は1,000円以下
高機能・高価な1枚よりも耐久性が落ちても安価な2枚。

5.ツーリングをプランニングせよ!「涼しいツーリングを企画する」

ツーリングで暑くてたまらない時間帯というのは昼から夕方にかけての時間帯です。少なくともこの時間帯に信号待ちの多い都市部やいつも渋滞している国道を避けるだけで快適に走ることができます。たとえば大阪や東京から避暑もかねて日帰りで長野に行く予定を立てます。長野も結構混むので変な時間に到着するとなかなか過酷なコースです。

東京や大阪から長野へのツーリング計画例
  1. 04:00 出発
  2. 09:00 ビーナスラインあたりに到着
  3. 現地での行動(休憩・昼寝・ツーリング・観光・グルメ)
  4. 18:00 のんびり帰路につく
  5. 24:00 自宅付近の高速道路料金所を通過。(ETC深夜割引適用)

昼ごはんを温泉施設でとり、休憩所で仮眠すれば帰りも楽ちんです。
往復900kmくらいの行程ですが、暑さにやられることなく真夏のツーリングを楽しめます。
高速道路を減らしてコーナーを楽しみたければ大阪からなら、せせらぎ街道から高山を通って松本市入りすることもできます。比較的高地なので快適なライディングが楽しめます。
目的地までの距離に応じて柔軟に、昼間の走行を避けるだけで、ほかの暑さ対策なんて実は必要がないくらい快適です。

6.灼熱地獄マスツーリングは大変!「真夏のツーリングは少人数で行く」

夏場のマスツーリングは上級者向けです。往復100km程度のショートツーリングでも10人、20人と参加者が増えると思いのほか時間がかかり、渋滞に巻き込まれると遅々として進まないことがあります。じっと忍耐でツーリングすることになる上、暑さでバイクが不調に陥ることも。レギュレートレクチファイヤが壊れてバイクが動かなくなったり、熱中症なのに大人数だからと無理をして同行、最悪事故を起こす可能性があります。実際にそういった状況に何度も出会っています。ツーリングを企画する時は、そういった事態もしっかり想定して計画することが重要です。

7.意外と便利!「不織布ウェットおしぼり」

ウェストポーチに忍ばせておくと意外と便利なのが使い捨てウェットおしぼりです。コンビニでも携帯用のものが売られていますので簡単に購入できます。個別包装タイプがオススメ。
用途は首回りをふいて爽快感を得たり、渇いたら水を含ませて再利用もできます。虫でヘルメットが汚れた時にも使用できます。
真夏は何かにつけて水を使います。水自体はおそらく旅先で簡単に入手できるので、その水の利用用途を広げるのがウェットおしぼりです。
拭いてよし!水を含ませて首元を濡らすもよし!小粒ながらなかなかのオススメアイテムです。ぜひ一度お試しください。

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1枚ずつ袋に入った不織布のおしぼりなら、毎回必要な枚数だけ持ち運べて省スペース。個別包装なのでマスツーでも配りやすく受け取りやすいのも高ポイント。

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キャンプツーリングなら『おしりふき』がオススメ。
大切な赤ちゃんのおしりを拭くための不織布ですからその品質は折り紙付き。この世で最もやさしさに溢れた最高級の不織布おしぼりです。
中でも『アカチャンホンポ』と『コストコのカークランド製おしりふき(Amazon)』はおしりふき業界の二大巨頭と呼ばれています。
ちなみに、私はアカチャンホンポ派です。
コストコのはビタミンEが配合されているので赤ちゃんには良いのですが、バイク用途だと不純物でしかありませんしね。

8.最後にモノを言うのはやっぱりアレでしょ!「シンプルに体力増強」

どの世界でも同じですが、やっぱり頼りになるのは自身の体力です。
体力と熱中症というのはあまり関係ありません。体力があっても体温が上がってヘバるときはヘバります。

しかし、普段から体を動かして体が適度に汗を流すことになれている人と、普段まったく体を動かさない、体が汗のかきかたを忘れて不器用な汗をかいてしまう人とでは、やはり熱中症を発症する確率は大きく違います。

普段から汗をかき慣れていること、多少のムリも通せる程度の体力があれば、できることの幅が広がります。
真夏でもバイクをしっかり楽しむためにも、オフシーズンもさぼらず体を動かして、真夏に備えてください!

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まとめ-喉が渇く前に水分補給を!

この記事を最初に書いた2013年の夏は大変な酷暑でした。
2018年も春ごろにラニーニャ現象が終息したため猛暑日が増えるとの予測があり7~8月は全国的に殺人的な猛暑がやってきました。この時もいろいろ加筆を行いました。
今年2023年も空調服の一般化にあわせて内容を少し見直しました。
いやはや10年前は空調服がこんなにメジャーな存在になるとは思ってもいませんでしたが。

ですが基本は10年前からすこしも変わっていません。

ライダーは基本的に空冷でしか熱を放出できません。
しかし股の間に火鉢のごときエンジンを抱えている状態でできる対策というのもなかなか難しいものがあります。

空調服以上のものを望むのなら、水冷ジャケットがあります。
最初の水冷ジャケットはクールスマイルが2017年に水冷服が発売。
その後さまざまな会社から水冷服が販売されはじめました。
水冷は暑さに対して直球の対策ですが、やはり手間などにより一般化するには少々ハードルが高いように思います。

さて、ここで書き忘れていた内容を書き足しておきます。
さらっと目を通す程度で結構ですのでぜひご一読ください。

1.遠赤外線で体の芯からあたためられると、さらっとした汗がじんわり流れます。
これは汗の中に含まれる成分が体内に再吸収される働きから起こります。つまり流れ出る汗はほとんど水だけ。
ところがライダーのかく汗はミネラルも大量に放出しっぱなしです。水分補給だけでなくミネラルの補給を必ず行って下さい。
スポーツドリンクやタブレット、塩飴などさまざまなものが販売されています。
自分にあったものを探してみましょう。

2.水分・ミネラル分の不足は脱水症状を引き起こします。
防ぐためには先ほども書きましたが、のどが渇く前に水分補給することが重要です。
さらに水分の不足は日射病を引き起こし易くします。青白い顔、頭痛、めまいの症状がそれです。最悪意識がなくなります。
さらに熱射病のリスクもおっています。こちらは水分ではなく、体の熱を放出出来ないために発症する症状です。体温が40度以上になり、汗も止まります。

みなさんにぜひ実践してもらいたい事があります。

のどが渇く前に水分補給

ここまでに何度も書いています。
熱中症予防について、どのサイトを調べてもしっかり「こまめに水分補給」と書いています。

その通りですが具体的な指針が無いとどうしても疎かにしてしまいがちです。
そこで、のどが渇く前に水分補給をするという自分ルールを作ることで、常に自分の体調を気に掛けることができます。それが予防につながります。
万一、熱中症等の症状が出たら直ちに次の三つを実施してください。

1.日陰で安静にする
2.水分の補給
3.体の冷却

それでは、酷暑のライディングにはくれぐれもご注意くださいね!