悩んだらまず深呼吸!トラベル三脚選びの要点

マンフロット Element small 日常
マンフロット Element small
マンフロット Element small

マンフロット Element small

トラベル三脚を購入しました。
トラベル三脚というのは、耐荷重や機能性が低くなっても、携帯に便利なサイズ感の三脚のことです。
ちょっと小ぶりな三脚。
通常それほど高いものではありませんが、選ぶにあたりえらい苦労しました。

カメラマンではないのですが、経費節減のため、写真素材や人物を撮影しています。
もちろん取り直しの難しいモデルさんが撮影対象の場合は、プロのカメラマンさんに来ていただきます。
けど毎回お願いもできないので、その方にコツを教えて頂き、ちょっとした撮影は自分でやるようになりました。
これまで三脚は借り物の古い三脚を使っていましたが、大柄で屋外で撮影するときは難儀していたので、せめて屋外での撮影は軽いものをと今回の買い物です。

メーカーの公式HPから、価格.comやAmazonレビュー、個人ブログの記事まで片っ端から目を通し、細かいスペックの比較をして、悩みに悩みぬきました。
高い三脚を買うわけでもないのに、ムキになって徹底的に。
そんなことも2,3周繰り返すと、やがて見えてくるものがあります。

経験したことは私と同じくカメラ初心者が三脚を選ぶうえで参考になるかもと、本記事を書くに至りました。
よろしければお付き合いください。

三脚以外の選択肢もあることを知る

まず始めに、本当に三脚が必要か確認です。
トラベル三脚を探した理由は室内で使っている三脚が持ち運ぶには重すぎたため、あくまで携帯性の良い三脚が必要だったため。
そして、撮影時にそれほど移動も多くないという理由から三脚を選びました。

けれど用途が家族旅行や混雑する場所での撮影や、現場で徒歩移動が頻繁な場合、三脚がむしろ足かせになるシチュエーションもあります。
端的に言うと、三脚の他にも一脚という選択肢もあるということ。

下記リンクは『一脚はこんなに便利!』ということが良くわかる記事です。
ぜひこのデジカメWatch様の次のページをお読みください。
目からウロコです。

特別企画:試したくなる「一脚活用のススメ」(デジカメWatch/株式会社インプレス様)

一脚が良いシチュエーション

一脚の良いところは三脚に比べ展開速度が速く軽量なところ、安価なところです。
逆に悪いところは、夜景、星景、長秒露光が苦手なところ、ブレやすく使い方に習熟が必要なところです。

三脚展開している間にイベントが進行するような場では、一脚が圧倒的有利!

家族旅行で、子供にだっこをせがまれながら海岸線を移動、いちいち三脚を展開させていられない状況、けど突然訪れるシャッターチャンスも逃したくない!
そんな場合は一脚が良いです。
運動会や混雑する観光地や会場、遊園地、モータースポーツの流し撮り、その他もろもろ。
ひょっとしたら一脚は三脚より活躍するシーンが多いかもしれません。

三脚が良いシチュエーション

長秒露光が必要な星景写真や風景、比較的落ち着いて構図を計算しながら撮影できる場合、三脚を選ぶことになります。
ですが遊園地や観光地、運動会などのイベントの人込みの中、小さい子供と行動を共にする場合など三脚では取り回しに苦労するかも。

一脚の存在を知らずに三脚を選ぶと後で後悔することがあるかもしれません。
このあたりよくよく考えて選んでください。

選べるものは3つある

次の3つから選べるということを念頭に。

・一脚
・三脚
・三脚(脚の一本が一脚になる多機能タイプ)

一脚は有名メーカーのものでも安価なものが選べます。
一脚は軽くて買い替えも少ないアイテムなので、雲台が交換できるタイプか別売の、耐荷重が大きい物がよさそうです。
安価でカタログスペックが良く保証の長いManfrottoのElement一脚、展開速度最優先でVelbon Ultra Stickシリーズ。
値段優先で2000円以下のものをお試しで買うのもあり。

三脚はアルミ製のしっかりしたものが1万円以下で豊富にあります。
この価格帯から選ぶ場合、無名中国メーカーの製品も視野に入れることになります。

多機能、カーボンなど高価な素材が使われている三脚は値段はいきなり高くなります。2~5万は覚悟しましょう。

『300mmクラス』VS『400mmクラス』

トラベル三脚を選ぶ理由は高い携帯性が必要だからです。
一般にはトレッキングやツーリングに重い三脚を持ち運びたくないから軽量コンパクトなトラベル三脚を選ぶわけです。

そんなトラベル三脚、カタログスペックを眺めていると、製作者側の意図として2種類に大別できることに気づきます。
収納時の全長『縮長』と呼ばれる長さ、その多くがほぼ300~400mmであること。

ある程度の機能性や安定性を犠牲にしてでも縮長300mmというコンパクトさにこだわった製品と、縮長を犠牲にして安定性を重視した400mmクラスの製品があります。

代表的な300mmクラスのトラベル三脚

VelbonのUTシリーズ、300mmクラスですが、より短くという意図から、特殊な脚の構造を採用して、268~295mmという驚異的な短さを実現しています。
バイク乗りの中ではツーリング用としても広く愛用されています。
通常のUT-43は耐荷重2.0kgですが、このUT-43D IIは海外モデルで耐荷重3.0kgとなっています。
海外モデルなので国内の保証が受けられるかどうかは不明ですが、APS-Cクラス以上の一眼レフやミラーレス機で使うならこちらの方が安心です。

ManfrottoのElement small は320mm。上のUTシリーズのように6段構成とせず、脚を細めの5段にして縮長を少し犠牲にしています。
とはいえUT-43D IIと比べても縮長の差はわずか約31mm。並べてようやくその差が確認できる程度です。
中国製造のトラベル三脚とはいえ、一流有名ブランドのマンフロットの基準で作られた製品ですので信頼性もあります。
なにより最初のユーザー限定ですが3年と保証期間が長いのも嬉しいですね。(要ユーザー登録)
そのうえAmazonや公式通販サイトでも時々、7,000円台で販売されていることがあります。
保証期間が長くて安価なので盗難や破損を気にせずガンガン持ち運べる本品ははじめての方にとてもオススメ。

SLIKのエアリーS100は300mmジャスト。軽量こそ正義とばかりに耐荷重を犠牲にして重量を抑えています。
切り捨てたのは耐荷重1.5kgと全長1041mm。
しかしながら縮長300mm、重量750g、という割り切りは見事としかいいようがありません。
多少カメラが重かったとしても1万円クラスで登山やトレッキングに持っていくならこれ一択です。
見た目は武骨なのが微妙かもしれませんが、軽いので女性の日常使いやレバーロック派にはオススメです。

代表的な400mmクラスのトラベル三脚

ManfrottoのBefree advanceは、410mmを守って安定の耐荷重8kgを実現。
縮長を犠牲に実直に安定した撮影を優先しています。
同社300mmクラスのElement smallと比べて良い点は、安定した撮影が期待できるスペックと、驚異の延長10年保証!
ここ、見落とされがちですが結構すごいところ。10年はジッツォのトラベラーより保証が長かったりします。
もし400mmを許容してこれを選ぶなら、実売3万円クラスとなってしまいますが、アルミではなくカーボン製がオススメ。
きっと末永く付き合いつづけることになると思います。

ヴァンガードのVEO2系235シリーズも400mm、運搬時の直径サイズを犠牲に素早い組み立てが可能なセンターポール反転方式で他社と差別化しています。
このモデルに目を付ける方はカーボン製ながら比較的安い点に注目されがちですが、実はモデルバリエーションが豊富なのでしっかり見極めたいところです。
注目したいモデルはVEO2S 235CBです。
これは2019年2月にAmazonで取り扱いの始まったばかりの新しいモデルです。
VEO2Sは脚の一本が『カーボン一脚』として使用可能なんです。そして三脚の自由雲台が付けられます。
この三脚が1台あれば、場所にあった撮影スタイルで出かけられるわけです。
しかも実売3万円以下。カーボン三脚とカーボン一脚を別々に買うことを考えるととてもお買い得なモデルになっています。
VEO2Sは発売後間もなく、あまり注目されていないモデルですが、なかなかの多機能三脚に仕上がっています。

ピークデザインのTravel Tripodは2019年末に発売が予定されている三脚です。
そのスペックと独創的で機能的、コンパクトな収納形状から、多くの方から注目を浴びているトラベル三脚です。
注目点は展開速度と収納時の直径。
オフロードバイク乗りが防水バックパックのドリンクホルダーに差し込んで携帯できそうなサイズ感です。
発売前ですが、キックスターターを使うことで年末には入手できそう。
仕組みが判らず利用するとややこしいので、発売と初期レビューを待ってもよさそうです。

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その他の縮長さクラス

実は350mmクラスや450mm、500mmクラスもあります。
当然ですが。

ジッツォからは350mmのモデルがいくつかありますが、実売10万円オーバー。
このスペックが必要な方が必然的に買っていくモデルなのであえて触れません。

トラベル三脚なのに450mmオーバーのサイズってどう思います?
私がトラベル三脚を選んだときは450mmオーバーは完全に対象外でしたので、今回は触れません。

何でどこに行くのかを考えて縮長クラスを選べ

例えばバイク乗りの場合、短い縮長は何物にも代えがたい重要な要素です。
たとえば大きなパニアケースの内側長さが約400mm、小ぶりなトップケースはさらに短く350mm程度、限られたスペースに合わせて三脚を選ぶことになります。

徒歩と電車移動がメインだったり、トレッキングや登山を考えている方や、海外出張や旅行などでスーツケースに放り込みたい場合、できるだけ短い縮長300mm以下で軽いものを選びたくなりますよね。

どのような場所に何で行くのか、一番多いシチュエーションをしっかりイメージすれば、選ぶべきサイズ感がより明確になります。

300mmの縮長が必要か、400mmでも妥協できるか。

重さも重要ですが、縮長はもっと重要です。
縮長次第でカバンに入るか入らないかが決まってきますから。

耐荷重カタログスペックを許容する度量を持て

APS-C一眼レフに重たいレンズ付けて1.5kgくらいなら、カタログスペック2kgの少し頼りない三脚を許容する度量を持つとすこし幸せになります。
もちろん、撓む三脚がガマンできない方もいるでしょうし、そんな方はカタログスペックは機材の倍以上の数値が必要かもしれません。

けれど大なり小なり、どんな三脚も風でブレますしモノを乗せれば撓みます。

メーカーはおおむね次のように説明しています。

耐荷重クラスの特徴

1.5、2.0、2.5、4.0、8.0、10.0、12.0kgなどなど。このあたりが三脚の耐荷重でよく使われる数値です。
どのメーカーも500g単位で表記しています。

・1.5kgクラス・・・コンデジ・ミラーレスカメラ

・4.0kgクラス・・・APS一眼レフ・フルサイズ一眼レフ+標準ズーム

・8.0kgオーバークラス・・・フルサイズ一眼レフ+望遠ズーム

耐荷重はあまりこだわらなくていい

携帯性を重視した脚の細いトラベル三脚はですから、許容重量を超えようが超えまいが、振動し、収まるのに多少の時間はかかります。
ですが、どんな三脚だろうと、少なくとも手で持つよりはずっとブレにくいわけです。

三脚が多少頼りなくても撮影者側でできることだっていくつかあります。
リュックやポーチを三脚につるしたり、カメラと三脚をゴムバンド等で結んでガタを殺したり。
ミラーアップとレリーズ、セルフ2秒の併用。
手でカメラを押さえつけて取る方もいますよね。

巷では「機材は耐荷重量の半分程度が安定して撮影できるリミット」と言われていますが、それこそ話半分、聞き流すくらいで丁度よい気もします。
誰もが求道者のような写真との付き合い方をしているわけでもないですしね。

こだわるならハイエンド一択

『カメラ乗せてたわむようなら三脚じゃない、それは棒切れだ!』
『振動が収まらないムキー!』

ってなりそうなら、携帯性や経済性を諦めて、ジッツォ買いましょう。
作品に打ち込むカメラマンがダメと思うなら、それはやっぱりダメなのです。
中途半端に『これはなんとかなるかも』なんて淡い期待を持ってローエンドやミドルクラスに手を出したってどうせストレスがたまるだけ。

10万以上払ってハイエンドトラベル三脚を買うのが正解です。
ハイエンドでダメなら諦めもつくでしょうし。

価格が造り良さをあらわすのはホント。でもそこが選択のポイントではない

価格帯を大きく分けると雲台込みで、1万円以下、3万円以下、3~9万円台、10万円オーバーの4クラスあると思っていいです。

4つの価格帯の特徴

1万円以下は聞きなれない中国メーカーが大半ですが、Manfrotto等の有名メーカー、Amazonブランドもしっかりした製品を出しています。
3万円台は本当に豊富なボリュームゾーン。製品のバランスも良く、選びごたえのある価格帯です。
このクラスはカメラ愛好者にとっては安くて品質の良い三脚を選べる価格帯ですが、入門者が手を出すにはちょっと敷居の高い価格帯です。
三脚と雲台を別々に選ぶようになると、3万円以上のクラスにステップアップです。
10万円オーバーはハイエンドモデルばかり。
必要なスペックを明確にイメージできる人間が購入するゾーンです。

値段が高い理由

工業製品として当然の話になりますが、構造が凝って部品点数が多かったり、加工に費用が掛かるマグネシウム合金や高価な日本製カーボンなんか使っていると必然的に高くなります。
ですが安い三脚が使えないかと言われると、そんなことなかったりします。
展開・収納が素早くできる、工夫された高価な三脚には感動しますけど。
旅先でちょいと風景写真を嗜むくらいなら、1万円以下の使い勝手のいいシンプルな三脚で十分だと感じます。

最初は消耗品のつもりで、使い勝手と評判が良ければ価格重視の選択もアリではないかと思います。
故障時や保証のリスクを考えると、日本での長期間にわたる販売実績のある有名ブランドから選ぶとなお安心です。
高いものは5年以上の長期メーカー保証もあるし、結果的に安くつくので満足感も高いというならハイエンドモデルをという選択肢ももちろんアリだと思います。

後悔しない三脚の選び方

結局、買ってしまえばそれなりに満足します。
何を選んだとしても考え抜いた結果なら、そこそこ満足してしまいます。
穴が開くほど、人のアマゾンレビューを読んでそう思いました。

そんなトラベル三脚ですが、やっぱり軽さや縮長は妥協せずに300mmクラスで選ぶのがオススメです。
どんな場所に何で行くかは人それぞれですが、コンパクトなものをひとつ選んでおけばツブシはききやすいと思います。

それに400mmクラスには2019年後半以降、話題の新製品が控えています。
ピークデザインの「Travel Tripod」です。
縮長は400mmを切る程度ですが、直径が圧倒的にコンパクトで握りやすい形状をしています。
ジッツォなどの高級モデルと比較しても機能的スペック的に申し分なく、メーカーの永久保証までついている実に挑戦的なトラベル三脚です。
まだ売っていないのでどうしようもなかったのですが、選べたならこれを買っていたかもしれません。

300mmクラスを持ちつつ、ピークデザインの400mmを持つなら使い分けはしやすいと思います。
けど今400mmクラスのを買っちゃうと、あとでピークデザインが欲しくなっても被ってしまい買いにくいですしね。

急がないなら年末まで三脚選びを待つのもひとつの戦略かもしれませんね。

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