BMW G650GS サスペンションセッティング覚書(2)

プリロード調整 G650GS

以前、G650GSの購入後すぐにリアのサスペンションセッティングについて記事を書きました。

BMW G650GS サスペンションセッティング覚書(1)

マニュアルの基本セッティングでは、最弱まで回して15クリック強側へ回すとありますが、なんとなくしっくりこなかったので、とりあえず自分用の目安として次のような内容を書き留めました。以下ずっとリアサスの話です。

1.設定メモ

 ・リア伸側減衰のマニュアル基準(乗員85 kg、燃料満タン時)
  0.75

 ・リアイニシャルのマニュアル基準(乗員85 kg、燃料満タン時)
  約5.5(15クリックの目盛り位置)

 ・リアイニシャルの上下限
  0.0 強方向の上限(車体側)
  7.0 弱方向の下限(ダイヤル側)

2.リアイニシャル設定所感

  0.0 – 3.9 不良。沈まない。
  4.0 – 4.1 おおむね良好。
  4.2 – 4.4 良好(しまとも基準点4.3)
  4.5 – 5.9 足付が重要なガレ場、コンフォートトラベル用途。
  6.0 – 7.1 不良。リア下がりすぎ不快。

さて、今回またサスペンションセッティングについて話をぶり返すわけですが、実はひとつわかったことがあります。

リアイニシャルアジャスターは走行距離に応じて油圧が抜ける

先日ガレ林道でイニシャルを最弱に合わせるときに気づいたのですが、
最弱から約6クリック、手ごたえがまったく無く、クルクル回ります。

はて? と気になったのでモトラッド豊田に確認したところ、やはり新車時ではちゃんと最初のクリックから手ごたえ(バネを押し下げる手ごたえ)があるとのこと。

約6クリック押し下げたあとはしっかりした手ごたえが一定の力で続きます。

つまり6クリックまではリアイニシャルは最弱のまま。

エアを噛んでいるようなエアバネの感触はないので、単純にサス側から油が抜けて油量が減っている様子。

調べてみると油量が減ってこうなるのは、BMWの他車種ダイヤル式イニシャルアジャスターやオーリンズでも起こることなので気にする必要はありません。
リアサスのOHを専門店に出せば油量も満タンまで入れてくれます。

気にとめておきゃなきゃいけないのは2点だけ。

1.減った油量だけ、イニシャル設定がズレるのでちゃんと乗り手が補正すること。

2.走行距離1.8万kmで約6クリック分の油量減少。
  イニシャル調整用の油が抜ける速度は約3,000 [km / click]。
  現在、しまともが使う可能性のある強側のメモリは4.0。
  大雑把に1クリックでメモリ約0.1として、残りあと40クリック分。
  3,000 / 40 = 120,000 km。
  あと12万km走るまで平気。修理不要。
  実際のところ、Oリングやら何やら他の問題でOHが先かと思います。

で、実際に抜けた約6クリック分を空転させたあと、マニュアル通りの基準値15クリックを回したところ、目盛りはなんと4.3!

なんと! しまともセッティングと同じだったという結果に!

しまともセッティング時は、乗員70 kg + フルパニア12.5 kg + 荷物2 kgの計84.5 kg。
マニュアルの85 kg。服の分誤差もありますが、まぁマニュアルの85 kgも普通体重と考えるでしょうし。やはり条件はほぼ一緒です。

今回、BMWの基準とライダーの感覚がほぼ一緒だったことが分かりちょっと安心しました。

・クリック数に変換した大まかなしまともセッティング

  19 over 不良。沈まない。
  18 – 17 おおむね良好。
  16 – 14 良好(しまとも基準点15)
  13 – 5 足付が欲しいガレ場、コンフォートトラベル用途。
  4 under 不良。リア下がりすぎ不快。
※上表左の数字はイニシャルアジャスターを手ごたえが始まるまで回しこんだ後、絞めこむクリック数。

プリロード調整

セッティング自体、車載物はもとより、タイヤや体調なんかでも感じ方はコロコロ変わります。
意識高い系ライダーにとってセッティングの数値管理は基本ですが、G650GSみたいに手元で気軽にイニシャル変えられる場合、数値にこだわらず適当にクルクル回して自身の感覚だけに頼って設定するのもいいと思います。

だってタイムを削るわけでもないのだから。

本人が楽に気持ちよく走れるのなら、それがベストセッティングです。間違いなく。
それが人とズレていて気になるなら、その理由を探求することもバイク趣味の醍醐味なのだと思います。

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