モードセレクタ作成順序と動作チェック方法

ハーネスには4本の導線が必要 バイク

ブースタープラグ本体と切替ハーネスを接続することで、モードセレクタぽい働きをします。ここでは切替ハーネスの作り方をもうちょっと具体的に紹介したいと思います。あと正常に動作しているのかをチェックする方法も。

やりたいことを再確認

ハーネスでやりたい事一番上の図を見てください。一番左の抵抗は、最初から車両に付いている温度センサーです。温度が変われば抵抗値が変わります。
右はECU側のハーネスに接続されます。

真ん中の図は、ブースタープラグを接続した際です。割り増し抵抗がくっついただけ。

3つ目の図は真ん中の図にスイッチがついているだけの図です。
これを実現するために、大量の導線をいったりきたりさせる必要があったわけです。それはどうしてか。ハーネスには4本の導線が必要実はBP(ブースタープラグ)を挟むように計4本の導線が必要になります。たったひとつのスイッチを付けたいだけなのに4本です。
そのため、スイッチの位置や接続先には注意が必要です。

作り方1.ブースタープラグ本体のコネクタをスケッチしよう

ブースタープラグからはオスメス1対のコネクタが生えてます。
仮にオス側をCON1、メス側をCON2と呼ぶことにします。
CON1、CON2ともに2本のピンやソケットがあります。
2本の導線のうち一本は導通しているだけです。もう一方は数k Ωの抵抗が入っているだけです。だからテスターで抵抗測定して、下図のようにそれぞれの導線の端末にイ、ロ、ハ、ニの記号を振ります。

ブースタープラグ単体の抵抗測定
イーニ間 数k Ω
ローハ間 0 Ω
イーハ間 OL(無限大の抵抗値表示)
ローニ間 OL(無限大の抵抗値表示)

ブースタープラグ単体のチェックイ~ニの記号を振ったら、コネクタの形状と記号をスケッチしておきましょう。

イーニ間に数k Ωの抵抗が存在し、ローハ間が0 Ωであれば「ブースタープラグ有効」の状態です。
イーニ間、ローハ間がともに0 Ωであれば、「ブースタープラグ無効」状態になります。

このコネクタのスケッチは、スイッチ付きハーネスを使い、有効と無効が切り替えられたかどうかをチェックするときにも使います。

作り方2.スイッチ付きハーネスブースタープラグ側にコネクタを付けよう

ハーネスとブースタープラグの接続A’B’はメスコネクタ、C’D’にはオスコネクタを接続します。
A’にはブースタープラグで抵抗の存在を確認した「イ」がつながるように。
D’も同様です。経路上に抵抗が存在する「ニ」がつながるよう、コネクタを接続します。

作り方3.反対側にもコネクタを繋ごう

ABはオスコネクタ、CDにはメスコネクタを接続しますが、つなぎ方を間違えないようここでチェックしましょう。ハーネスにブースタープラグ本体を接続してください。コネクタ2つともです。

さっき書いたコネクタ図①の「イ」は延長されてAに繋がっています。同様に「ニ」はDに繋がっています。A-D間の抵抗を測定してください。スイッチを切り替えることで数k Ωと0 Ω、の両方がちゃんと測定できているか確認してください。

次に、B-C間も抵抗測定してください。スイッチがどの位置にあっても0 Ωを示すことを確認してください。

念のため、A-B間、C-D間ともに抵抗値がOLであることを確認してください

上記の通りであれば、切替動作に問題ありません。コネクタを接続していきましょう。
スイッチをブースタープラグ有効(A-D間抵抗が数k Ω)にし、さっき書いたスケッチ図①と同じ各端子間抵抗となるように接続すれば完成です。

ブースタープラグ+スイッチングハーネスの抵抗測定

完成したモードセレクタは次の抵抗値を示せば正常に動作するはずです。

AーD間 数k Ω または 0 Ω(スイッチにより変化)
BーC間 0 Ω
AーC間 OL(無限大の抵抗値表示)
BーD間 OL(無限大の抵抗値表示)
A-B間 OL(無限大の抵抗値表示)
CーD間 OL(無限大の抵抗値表示)

接続する端子を間違えたらろいろな誤動作が起こる危険性があります。作成するならリスクを十分に認識して実施してください。

繰り返しになりますが、何が起こっても責任は負いかねません。本サイト上の情報の理容に付きましては、慎重に自己責任にてお願いいたします。

 

コメント

  1. u16 より:

    しまともさん、こんばんわ!
    前にブースタープラグ切替スイッチで質問させて頂いた者ですが、新たに配線などの詳しい記事を書いて頂いたおかげで、なんとかスイッチを作る事ができました!
    遅くなりましたが、本当にありがとうございます。
    紆余曲折あり先日ようやくモノが完成し、3日ほどテスト走行をしてみたところ、しまもとさんの体感レビューと同様のメリットを得る事ができたのですが、1点だけ気になる症状が見られましたので、ご報告しておきます。

  2. u16 より:

    取付け車:トライアンフ 水冷2気筒 1200cc 電スロ
    (以下症状)
    パターン1:ブースタープラグONの状態でエンジン始動後、走行はせずエンジンを切ります。その後すぐにブースタープラグをOFFの状態にして再度エンジンスタートすると始動直後からアイドリングが段々弱々しくなりエンストしました。

    パターン2:ブースタープラグOnのまましばらく走行しエンジンを切る。4〜5分後(この時はスタンドで給油した後になります)今度はブースタープラグOFFにしてエンジン始動〜アイドリングはほぼ通常回転数〜発進後数メートル走行すると回転がやや弱くなった感じがし、一旦停車してまたすぐに発進すると、普段のスロットル開度と同じアクセルでクラッチを繋いだのですが、回転が弱くなった感じでエンストしました。(続く)

  3. u16 より:

    ブースタープラグONで走行後、帰宅し数時間から一晩経ってからブースタープラグをOFFにしてエンジン始動〜発進といった、ある程度の時間を置いた状況では、そのような症状は現れませんでした。

    原因は不明です。

    この症状への何かヒントになるような事や気付きがありましたら、お聞かせ頂けると幸いです。

  4. しまとも より:

    u16さん
    ご連絡ありがとうございます!
    まずはハーネスの完成おつかれさまでした。

    ●パターン1について
    アイドリング時の症状ということなので、最初に思いついたのがIACに関することです。
    アイドリング時の空気量を調整する空気のバイパス路のコントローラーですが、G650GSの場合、アイドリング不安定時の点検項目です。エンジン冷間時にアクセルを触らずエンジンをスタートさせ、2回ラジエターファンが回るまで放置することでIACの再設定・初期化が行われます。トラのECUがどのように制御しているのかわかりませんが、新しい車体でしょうし、ウチの愛車よりもっと頻繁にIACの再設定や制御を行っているとしたら、このあたりのタイミングの問題かなと思いました。
    次に単純に燃料噴射量が薄い場合もこうなるかもしれないと思いました。(つづく)

  5. しまとも より:

    ●パターン2について
    吸気温センサー自体は抵抗を増やしているだけなので、エンジンストップ時のブースタープラグ切替がこれほどの影響を及ぼすとは考えにくいです。ECUから見てキーONOFFの間に外気温が変化した程度の影響力しかないはずですから。
    これで影響がでるなら、高原の昼間と夜の気温差でも同じ症状がでるかもしれません。多分そんなことはないでしょうし。

    自分なら・・・GSで停車、ブースタープラグを切って、アクセルを軽くひと吹かししてからエンジンストップという手順を試してみるかもしれません。

    直前までのブースタープラグONの状態が次回キーオン時のECU(各センサー)に影響を与えているかもしれないなら、この一連の手順で原因を排除できるかもしれないと思うからです。なんとなくO2センサー(A/Fセンサー?)絡みのような気がしてます。

  6. しまとも より:

    O2センサー、A/FセンサーはともにECUが理想空燃比を維持するために使われるセンサーですが、どちらも一定の温度に達するまで、正しく作動しないそうです。
    今回の一件はエンジンON-OFFの間の時間が直後~4,5分という短い時間のときに症状が発生しており、一晩置くと症状はでないとのことです。
    これらのことから、O2センサーあたりかと思った次第です。

    ご参考までに、『一級整備士の診療所』様の説明がとても分かりやすかったです。

    https://www.kuruma1001.com/2020-03-02-%E3%80%90%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%80%91a-f%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%A8o%EF%BC%92%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%80%81%E7%A9%BA%E7%87%83/

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