G650GS

ブースタープラグに無効化スイッチを付けたらモードセレクタに進化した話

投稿日:

黒川ダム湖

「ブースタープラグ気になるねん」

twitterでこんな書き込みをしたところ、ツイ友のマンボウさんのご厚意でブースタープラグをお借りできることになりました。

マンボウさん、ありがとうございます!

前から気になっていたブースタープラグ、しっかり堪能しつくし、最終的にドライブモードセレクタに進化していたので、今回の成果物、ブースタープラグキャンセラーの作り方のノウハウを共有したいと思います。仕組みはあきれるほど簡単なので、製作過程の紹介程度ですが、よろしければお付き合いくださいませ。

ブースタープラグの効果

お借りしたブースタープラグをさっそくG650GSに装着、試走したところ、メーカーサイトの説明通りの効果。想像していた以上の良い変化でした。数時間の試走で迷わず即買いするくらい。

詳しくは別サイトのインプレかメーカーのサイトの説明をご覧ください。
さっさと本題に入りましょう。

ブースタープラグに無効化スイッチを付けたらモードセレクタになった

『どうせ実際に走りながらオンオフを繰り返さないとちゃんとした評価はできない程度のシロモノでしょ?』

そんな風にたかをくくっていましたが、ブースタープラグキャンセラーを試作して、実際に使ってみると、予想外のものが出来上がっていることに気が付きました。
好きな時に燃調を変えて出力特性をマイルドにできるドライブモードセレクタと呼んでも差し支えないレベルの好事家が喜びそうなシロモノに。

ブースタープラグ切り替えスイッチ

これはドライブモードセレクタを装備していないすべてのインジェクション+吸気温センサーを装着した車両に、後付けでドライブモードセレクタを装着させれられる可能性を感じさせる事件でした。

実際に触ってみると、手元のスイッチで好きに出力特性が変えられるということ自体に高揚感を感じてしまいます。

コレを使ってどう感じたのか、ちょっとだけ紹介させていただきます。

ブースタープラグ有効で広がる素晴らしい世界

林道で荒れている場所を通過するとき、低い回転数を多用することがあります。
けれどアクセルをパーシャルに保持した低回転でG650GSは回転が安定せずギクシャクしがち。

転倒
そのためこういったシーンでは半クラッチやリアブレーキを多用していました。やる事が多くてちょっと神経を使う乗り方です。
低速寄りにスプロケットを変えたり、いろいろ工夫はしますが根本的な解決はしませんでした。
そんな状況が、ブースタープラグで一発で根治しました。
明らかにエンストしにくく、特に低回転域でトルク感が力強いものに変化しました。半クラもリアブレーキも頻度が激減。

ワインディングにおいても、回してナンボのG650GSでしたが、中回転域がスムーズでショックが少なくなることで、4000rpm以下でもシングルらしいトルクを生かした乗り方、乗り味に変化します。
アクセルを開けて路面をやさしく蹴りながら旋回するコーナリング。心地よい乗り味です。

最初はモードを切り替えまくっていろいろなシチュエーションを楽しんでいましたが、そのうち高速や流れの良い国道でもない限り、ブースタープラグは有効にしっぱなしになっていきました。

ブースタープラグ無効にしたくなるシーンもある

4,000rpm以降を多用する場面、高回転域が気持ちよく伸びやかなのはブースタープラグ無効の状態です。

あと、アクセルを一定に保つような走行シーン、高速道路の巡航も高回転を維持する場合、ブースタープラグ有効化しても、目だった恩恵はないので無効にして差し支えないでしょう。

有効化した状態だとカーボンは以前より貯まりやすくなるかもしれませんので、PEA剤を使うときも無効にしておいた方がより効果的かもしれません。想像ですけど。

仕組みの理解

キャンセラーを自作するなら仕組みの理解は必要です。
うまく動かないとき、自分で原因を究明するためです。面倒でも把握してください。

ブースタープラグを買おうかと悩んでいたときに発見した海外サイトの記事。
f800riders.org様にブースタープラグの分解記事がありました。

分解した方の書いた回路図を見ると、抵抗が2個並列に繋がっているだけです。
この抵抗の両端からはさむようにバイパスしてやればブースタープラグ無効化が実現でそうです。
最初はスイッチも付ければ便利そうだな程度に思ったのですが、まさか
「これってモードセレクタじゃん!」
なんて感動することになるとは、この時は思ってもみませんでした。

ブースタープラグの配線を剥いて直接スイッチをつける手もあるが・・・

一番場所をとらずスマートな方法。それは直接スイッチをつなげることです。ブースタープラグの配線を剥いてスイッチをつけてやればそれで目的は達成できます。けれどこの方法は不採用。

理由はふたつ。車両を手放すときに、ブースタープラグはある程度の、1万円から5,000円程度のリセールが期待できます。でも改造済みだと売れなくなってしまいます。

それに切断・接続により防水性も落ちますし。

たまたま互換コネクタが安価に販売されていたので、ブースタープラグには手を付けず、ハーネスを作り、そこにスイッチを取り付けることにしました。

ハーネスタイプにも問題点がある

コネクタ2組を使ったハーネスタイプにも問題があります。
主にスペースの問題です。

狭い場所にブースタープラグだけでなく、コネクタ2組と配線を詰め込むことになります。G650GSの場合、場所的に部品がラジエターに接触して、部品表面を焦がしたり、溶かしたりするかもしれません。

そこで、ブースタープラグを遠くに移設する延長ハーネスを作り、それにスイッチを取り付けることにしました。

これなら場所の問題も簡単に解決できます。
車種ごとに現物合わせで長さを決めることになるので、多少面倒ではありますが、仕方ありません。

ブースタープラグのキャンセルハーネス

 

用意するものー工具や部品

愛車に使われているコネクタ2組、防水トグルスイッチ、ハンダ付けする道具一式、電工ペンチとギボシ類一式、デジタルマルチメーター、配線コード、自己融着テープ、ビニールテープ、熱収縮チューブ適量、熱収縮チューブに使うトーチ・ライター類

これだけあれば作成できますが、道具の名前を初めて聞いたという方にはちょっと荷が重いかもしれません。お知り合いの詳しい方に作ってもらった方がいいです。場所が場所だけに断線やショートといったトラブルは事故のもとです。

各種コネクタ

愛車の吸気温度センサーに使われているコネクタが見つからなくても、最悪ブースタープラグ自体を解体して線を繋げばいいのですが、手放すときに売りにくい代物になってしまいます。なんとか使われているコネクタを特定して入手したいところです。

愛車のG650GSに使われているコネクタはボッシュのEV1コネクタと呼ばれるものです。2輪4輪問わずBMWの車両に昔からよく使われている防水コネクタです。
F700GS、F800GS、R1200GSユーザーの方のブログを拝見すると同じタイプのコネクタでした。
日本で買えば1組1000円くらいしますが、Aliexpressでは送料込みで4組USD9.00以下と予想外の低価格。もちろんボッシュ純正ではないと思いますが、使用上問題はありませんでした。

ボッシュ EV1 コネクタ

国産メーカーの車両なら、BMWより安く入手可能だと思います。バイク屋さんに調べて貰うか、自力で調査は必要かもしれませんけど。

防水トグルスイッチ

スイッチのオススメはエーモンの防水タイプです。普通のスイッチなら何でも使えますが、LED発光するタイプのスイッチは控えた方が無難。取り付けるのは電源から独立したECUです。電圧も低くまともに発光しないばかりか、抵抗を増やすことになり、ブースタープラグの動作に不調をきたす可能性がります。

電工ペンチ、ハンダごて等

特にお勧めもありません。お好きなものを選んでください。これらをはじめてつかうなら、どこかのサイトで十分に予習をしておいてください。

うまく使えないことで、車両に重大な問題を発生させる可能性もあります。チャレンジするなとは言いませんが、ある程度の経験がないとリスクが高いと判断します。チャレンジするなら詳しい方と一緒に作業してください。

デジタルマルチメーター(テスター)

抵抗値を測るのに使います。
これがないと、どの線に抵抗が入っているのか判別できません。

自己融着テープと熱収縮チューブ

2か所、配線を分岐させる必要があります。
そのふたつの分岐、となりあった位置にあり、この部分がショートしやすいため、熱収縮チューブと自己融着テープを使い、しっかりと絶縁してやる必要があります。

配線コード

私がいつも使っているのはエーモンの0.75スケアです。

いろいろ太さの種類はありますが、これしか使ったことないです。高い対候性が特徴。
必要になればどこでも手に入る入手性の高さも好印象です。

ブースタープラグキャンセラーの作成

写真のように適切な長さのコードを4本(A,B,C,D)を束にします。

4本のコード(A,B,C,D)

このコードの両端には、コネクタが接続されます。

どのように配線を用意するのか、ここでもう一度確認しましょう。

コードA-Dについて図のように、コードAとコードDから分岐コードを出して、先端にスイッチをつけるだけです。とてもシンプル。

分岐の作り方は、ちゃんとした方法を使って実施してくださいね。

分岐の作り方

私の場合は、メスのギボシを使って位置決めをし、ハンダで接続します。ギボシの使い方としてはNGですが、位置決めとして使っているだけで、実質ハンダでつないでいます。

分岐の絶縁処理

熱収縮チューブを使って絶縁します。同じ場所で束ねるので、念のため自己融着テープをさらに間に巻いてから、すべてのコードを束ねます。

ここをショートさせてしまった場合、ブースタープラグの無効状態が続くことになります。
断線させてしまった場合、ブースタープラグが無効化できなくなるだけです。

そのため、この場所が原因で大きなトラブルに見舞われる可能性は低いですが、正常に作動しないとキモチ悪いですし、しっかり処理します。

配線の完成

熱収縮チューブや自己融着テープを使ってハーネスらしくコンパクトに束ねます。
一度試作しているので、試作品に沿わせて長さを決めています。
白いビニテは車体への固定位置の目印です。

配線コードの再確認あとはコネクタやスイッチを取り付けるだけなのですが、今一度、テスターを使って、各コードに名前を記入します。
コネクタの取り付けは一発勝負になることが多いです。失敗したらコネクタを買いなおしたり、せっかくきれいに束ねたコードをもう一度剥かなければなりません。
間違いのないよう、コードの順番を再確認します。

モードセレクタの完成

コネクタとスイッチを取り付けたら、モードセレクタの完成です!

ドライブモードセレクタのある生活を堪能してください!自己責任で!(笑

注意点 ー 運行中のモード切替について

スイッチをオンオフで回路を瞬断させているわけではありませんし、流れているのは高周波でもありません。ECUが抵抗値をリアルタイムで読み取るだけの場所なので、スイッチのオンオフで障害が起こる可能性は低いと思っています。
幸い、G650GSは運転中でも気温変化を瞬時に読み取って燃料を噴射してくれました。

ですが、ECUがちゃんと抵抗値の変化に追随してくれるのかは、実際に切り替えてみないとわかりませんし、車両によってはうまく動作しないとも限りません。
ご使用の際はくれぐれも自己責任で行ってください。
エンジン停止中の切替がオススメです。

そもそも論。ブースタープラグ開発の背景を見た?

よくよく考えると、気温を誤魔化すためには、純正の吸気温度センサーを丁度良い特性のサーミスタに置き換えればすむ話。
でもそうすると、それはただのサーミスタ。サーミスタ分の値段でしか誰も買ってくれません。
ブースタープラグというようなカッコイイ名前を付けられませんし、丁度良いサーミスタが見つかること限りません。
それに車種ごとに取り付け部を新たに作り直す必要もあり、開発、製作コストは膨大なものになります。

そこでコネクタ接続で不足分の抵抗を挟み込むことにしたのではないでしょうか。
この方法なら、使われているコネクタさえ入手できればあとの部品はほとんど共通化できますし、開発コストもかなり節約できそうです。
部品として見栄えよくすれば、カッコイイ名前を付けて販売もしやすくなりそうですしね。

そんな風に考えると、ブースタープラグは実に理に叶ったものだと理解できます。
そして、スイッチを付けるだけで単なる燃調パーツからドライブモードセレクタになるのだから、最初からそうやって売ってくれてもいいのにと思うのでした。

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